客家
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2023-09-02 栖来ひかり(SUMIKI hikari)
地域の彩りと美しさ、そして共生をめざす「ファラビボ・スタディーズ」の誕生――2023ロマンチック台三線芸術祭
「ロマンチック台三線芸術祭」は、蔡英文政権が2017年より取り組む「客家文化復興」の一環で2019年に初開催され、今年で2回目を迎える。多民族が暮らす台湾で主要なエスニックグループのひとつである客家(ハッカ)、その人々が特に多く暮らす地域をカバーする道路「台三線」を舞台に、ステレオタイプに語られがちな客家文化、そして台湾社会の「当たり前」「普通」に、現代アートやデザインが対峙する試みがめざすものとは――台北在住の文筆家・栖来ひかりが報告する。
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2023-02-05 台湾光華雑誌
苗栗大湖の歴史を伝える 樟脳の道「樟之細道」を再発見
幼い頃の記憶では、祖母のコートからはいつもうっすらと樟脳のにおいが漂っていた。それは、普段は着ない「よそいき」の服で、ずっとしまわれていた衣類の証拠だった。この香りは、かつて台湾が樟脳王国であった時代につながる。 百年前の苗栗の大湖に、茶や樟脳などの物資を運ぶ「老官路」という山道があった。全国の優れた教師に与えられる師鐸賞に輝いたこともある彭宏源は、この「老官路」を探し当て、その再現に貢献した人物だ。今は古道の草を刈って整備したり、ガイドを務めるなどして、その歴史を伝えることに情熱を注ぐ。