米中関係
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2023-11-30 村田晃嗣(MURATA Kouji)
政治的安定、安保三文書実現…米中首脳会談で見えた岸田政権の急務
バイデン米大統領と中国の習近平国家主席による1年ぶりの会談(11月15日、日本時 間16日午前)が実現した。ともに一時的安定を必要としていることが背景だが対立は構造的で、来年1月の台湾の総統選の結果など先行き次第では流動的だ。その後に実施される米大統領選をにらみ、日本に問われている課題も明確になった。
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2023-11-16 TNL JP 編集部
習主席、軍に米国との衝突へ備え指示 政権初期の演説集で明らかに=米紙
中国の習近平国家主席は15日午前(日本時間16日未明)、6年半ぶりに訪れた米国でバイデン大統領と会談した。両国は関係の安定化をはかることができるかが焦点になる。そんな中、米紙ニューヨーク・タイムズは、習氏が権力を掌握した初期、米国との共存を誓う一方、中国人民解放軍に対して米国との軍事衝突も辞さない姿勢を示していたと伝えた。
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2023-10-16 村田晃嗣(MURATA Kouji)
イスラエルにも戦火で米中接近か?台湾・日本にも影響大 首脳会談の行方は?【村田晃嗣が斬る!】
ロシアによるウクライナ侵攻が長期化する中で発生したイスラエルとハマスの大規模な軍事衝突で米国は国際的に厳しい立場に追い込まれている。来年11月に大統領選が迫るなか、内政も波乱含みでまさに内憂外患状態。この情勢下での米中関係の悪化を避けたいバイデン政権としては、11月にサンフランシスコで開催されるAPECに合わせて米中首脳会談を開催し、米中関係の相対的な安定を世界にアピールしたいところだ。一方、経済悪化が喧伝される中国も米中関係の当面の安定は必要である。習氏訪米が実現するか。実現すれば会談内容がどのようなものになるのかが、年内の国際政治の最大の山場となる。そしてその先には激動の2024年が待っている。
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2023-10-10 TNL Taiwan編集部
【台湾地政学サミット2023】ハーバード大学ナイ教授「米中対立は『新たな冷戦』と解釈すべきではない」
専門家によると、中国は経済的安定を生み出し、アジア太平洋地域での行動において信頼でき、透明性があり、オープンなプレーヤーとしてみなされる機会が数多くある一方、国家間の対立もあり、一つの岐路に差し掛かっているという。中国が未だにナショナリズムを主張し、台湾との統一を掲げるならば、この対立は、中国とより広範な世界経済に多大な損害を与えるとともに、甚大な人的被害をもたらすだろうとの見解を示した。
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2023-10-10 TNL JP 編集部
IT技術者らの頭脳流出止まらない中国 習近平氏の〝終身主席化〟で国に見切り
中国の優秀な頭脳流出が加速している。国家主席の任期制限がなくなり、コロナ禍での政府による非人道的な対応、国家安全保障の名のもと、当局による人権侵害などにより、中国から西側諸国に脱出する人材は、若者から起業家まで急増しているという。米紙ニューヨーク・タイムズが解説した。
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2023-10-02 樫山幸夫 (KASHIYAMA Yukio)
バイデン政権、処理水で中国批判の駐日大使に自粛要請 関係改善めざす米国に日本は梯子はずされるな【樫山幸夫の一刀両断】
エマニュエル駐日米大使が本国から〝お叱り〟をうけたという。福島第一原発の処理水放出などをめぐって中国を手厳しく批判したのがワシントンの気に障ったようだ。日本にとっては大きな援軍だったが、バイデン政権にしてみれば、対中関係改善の機運に水を差すということらしい。時あたかも、米中の政権幹部による長時間の会談が憶測を呼んでいる時期でもある。ある日突然両国が歩み寄りをみせ、これまで米国と連携して強い対中外交を展開してきた日本が梯子を外されることはないか。
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2023-09-22 TNL JP 編集部
上海の米企業「中国の重要性引き下げ」米中関係の不確実性で東南アジアにシフト
上海の米国商工会議所が実施した会員への調査によると、中国に進出している米企業は、技術や貿易などをめぐる問題により米国との関係悪化が事業の大きな障害になり、海外の投資先として中国から東南アジアにシフトしていることが分かった。
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2023-07-13 TNL Taiwan編集部
ホワイトハウスがAIチップの対中輸出規制を拡大する意向、エヌビディア「米半導体産業に打撃を与え、中国市場を永遠に失う」と警告
エヌビディアは29日、今回の中国向けAIチップ輸出規制の報道について、もしこれが実施されれば、米国の半導体産業は長期的に多大なコスト負担増となり、米中関係を再び悪化させることになるとの声明を出した。
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2023-07-04 TNL Taiwan編集部
バイデン大統領が習国家主席を「独裁者」と表現 ブリンケン国務長官訪中で埋まらぬ米中間の溝
バイデン米大統領は6月20日、カリフォルニア州で開かれた募金イベントに出席した際の演説で、今年2月に米国に飛来した中国の偵察用気球と見られるものを米軍が撃墜した際に、習近平中国国家主席は気球がそこにあることを知らなかったので激しく動揺したとの認識を示し「独裁者にとって、何が起きたかわからないというのは非常に大きな恥だろう」と指摘した。
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2023-06-21 川島真(KAWASHIMA.Shin)
緊張から“対話”重視へ⁈日米中関係と台湾−2010年代からの変容と現在
台湾問題や先端半導体技術の規制を巡って米中関係が緊張の度合いをたかめるなか、ブリンケン米国務長官が6月18日から2日間の日程で訪中。秦剛国務委員兼外相をはじめ中国共産党外交部門トップの王毅政治局員、さらに習近平国家主席と会談した。約5年ぶり米国務長官の訪中で、ブリンケン氏は両国の意思疎通の維持の重要性を強調し、秦氏をワシントンに招待。秦氏も「適切な時期に」と応じたが、中国側が「核心的利益中の核心」とする台湾問題では平行線をたどったとみられる。アジア政治外交史が専門の川島真・東大大学院教授が日米中関係と台湾について、近年の変容ぶりをまとめた。