対外開放
-
2023-11-14 大熊雄一郎(OKUMA Yuichiro)
中国「最弱総理」李克強氏の死で垣間見えた「却って高まる存在感」の皮肉【大熊雄一郎の眼力】
中国で急逝した李克強前首相を追悼し、その功績を再評価する動きが出ている。改革派だった李氏を懐かしむ背景には、毛沢東時代に回帰するかのように改革を後退させ、景気低迷をもたらした現政権への不満もある。李氏は現役時代、習近平国家主席の「1強」体制の確立によって権限を奪われ、「史上最弱の総理」ともやゆされた。皮肉にも死去によって存在感を高めており、習指導部は追悼文の公開や集会を制限するなどして反政府行動につながらないよう神経をとがらせている。