族群融和
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2023-10-14 小笠原 欣幸 (OGASAWARA Yoshiyuki)
対中刺激を避けつつ2期8年の成果表明 台湾の蔡英文総統「双十節」スピーチ 「退任後に評価たかまる総統」か【小笠原欣幸の視線】
台湾では10月10日、辛亥革命(1911年)に由来し、事実上の“建国記念日”と位置付けられている「双十節」祝賀行事が行われ、蔡英文総統は総統府前の式典会場で登壇。台湾への軍事的圧力を強める中国に関し、台湾が自主建造した潜水艦の進水を誇示しつつ、「(中台両岸の)どちらも一方的に現状を変えることはできない」と述べ、「平和共存の道を発展させたい」などと、「現状維持」が平和のカギであると強調。日米など民主主義国家との連携姿勢を打ち出した。しかし馬英九前総統ら最大野党・中国国民党幹部らは「中華民国」色が希薄であることに不満を示して欠席。来年1月に総統選をひかえ与野党対立も鮮明になった。台湾の総統は最大任期が2期8年であるため、今回は蔡氏にとって最後の双十節演説。そこからどんな思いが読み解けるのか。台湾の政治に詳しい小笠原欣幸・東京外大名誉教授が分析した。