孵咖啡
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2023-10-15 台湾光華雑誌
新旧が融合する街 台北・大稻埕 郭雪湖『南街殷賑』に見る 古き良き時代
今から約百年前の大稻埕は、台北の主要な商業地域として発展した。河港交易が盛んになることで周辺には洋行や在外公館が次々と建ち、富裕層や名の知れた人々も集まってきて、絶えず人や車が行き交っていた。迪化街は米や乾物、漢方薬、布を扱う問屋が軒を並べ、商業が盛んとなり、往時の賑やかな大稻埕は、まさにモダンと豊かさの象徴といえる。 その後、年月が経った今日でもその面影は依然として色褪せることがない。1930年代の迪化街の中元節の繁華な様子を、画家の郭雪湖(1908-2012)は、膠彩画による作品『南街殷賑』で繊細に描き出している。多くの美術家や文学者、歴史研究家は、今でも彼の作品を熱心に研究していて、街の光景や店の看板、人物、売り物といった描写は、その時代の歴史と趣を如実に映し出している。