日本統治時代
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2023-11-19 梶山憲一(KAJIYAMA Kenichi)
「キャベツ」は何と呼ぶ?伝統市場で思う台湾の複雑な歴史【梶山憲一の街歩き台湾】②
何気ない日常の光景のなかにも物語は潜んでいる。2泊3日の観光旅行ではあまり足を踏み入れる機会のない台湾地元住民の生活圏「菜市場」を歩いていると、台所の定番野菜であるキャベツが目に飛び込んできた。台湾の人々はこれを何の疑いもなく「高麗菜」と呼んでいるが、キャベツは朝鮮半島が原産地ではないはずだ。ではなぜ?…雑誌・書籍編集者として台湾でも活躍してきたベテランライターが、台湾の街角を散歩しつつ、台湾の素顔を紹介する。
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2023-11-08 野嶋剛(NOJIMA.Tsuyoshi)
台湾原住民パイワン族戦士の頭骨が英国から里帰り 背景に日本の台湾出兵
日本統治時代に「高砂族」と呼ばれた台湾の原住民。その中の一種族「パイワン族」の戦士4人の頭骨が百数十年の時を経て、英スコットランドから台湾へ里帰りすることが決まった。英エディンバラ大の解剖学教室の倉庫に保管されていたもので、頭骨は11月6日、無事航空機で台湾に運ばれた。頭骨が同大倉庫に眠っていた経緯については、明治日本による台湾出兵との深い関りがあった。
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2023-11-04 台湾光華雑誌
時空を超えた旅 台湾ドラマ『時をかける愛』に登場する台南の風景
数々の金鐘賞を受賞した台湾ドラマ『時をかける愛』が昨年末に同タイトルで映画公開された。出演した男優・女優たちは行く先々でセンセーションを巻き起こした。この『時をかける愛』ブームにより、ロケ地では聖地巡礼する観光客が跡を絶たない。
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2023-11-03 TNL JP 編集部
漫画に見る日本統治や台湾の社会・政治的変動「台湾漫画史不思議旅行」展開催 東京・明大現代マンガ図書館
日本統治の影響なども色濃い台湾の貸本文化と漫画の歩み100年を振り返る企画展「台湾漫画史不思議旅行―貸本屋さんと漫画の100年」が明治大学米沢嘉博記念図書館・現代マンガ図書館(東京都千代田区猿楽町)で開催されており、古書の街の読書の秋を彩っている。入場無料。2024年2月12日まで。
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2023-10-01 台湾光華雑誌
タイルから読み解く世界史 堀込憲二の台湾ロード
近年の「路上観察学」ブームを受けて、庶民の日常に焦点を当てたさまざまな路上フィールドワークが行われている。街頭のちょっとした広告や看板、建築物の一角など、路上にのこされた貴重な文化財で時代を語る試みがなされている。それは歴史を語るにおいて、ひとまずマクロな視点から離れて、身をかがめてミクロな視点から台湾の細部に唯一無二の文化的景観を見出そうとする試みである。
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2023-09-24 台湾光華雑誌
台湾美術の光 次の世代へ託す文化の灯
この2年間、台湾美術界は大変な盛り上がりを見せている。半世紀近く姿を消していた大理石の裸体像「甘露水」が再び出現し、国宝に指定された。「不朽の青春-台湾美術再発見」「光-台湾文化の啓蒙と自覚」「人・間-陳澄波と画廊」「台湾土・自由水-黄土水芸術生命の復活」など、台湾の先駆的な芸術家に関する展覧会も次々と開催された。また美術史学者・顔娟英と蔡家丘の共同企画で、23名の研究者による共著『台湾美術両百年』が出版され、質が高く売れ行きもよい同著は、一般の人々に台湾美術への扉を開くことになった。これまで長きにわたり、台湾の美術界にこうした活気などなかったと、誰が想像できるだろうか。
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2023-09-16 洪塵(HUNG Lydia)
欲望の女王シエナが継承したい台北・林森北路の日本式接客文化「磨かれた内面は若さや色香に優る」
台湾で今年5月にネット公開された短編ドキュメンタリー映画「擒慾女王」(英題「Queenie Classy Lusty Baby」、監督・朱詩倩、20分)は、夜の世界の女性の生きざまや自己愛などがテーマだ。同作の主人公といえる女性、シエナ(Siena)さんは、台湾のネット配信ドラマ「華燈初上 -夜を生きる女たち-」の演技指導者としても注目されており、実際に台北市の歓楽街・林森北路で日本式スナック「Bar Nine」を経営するオーナーママでもある。公開直前に台北市内で行われた試写会であいさつしたシエナさんに、彼女の人生や、台湾における日本式スナック文化についてインタビューした。
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2023-09-10 台湾光華雑誌
歴史の道を歩く― 台湾の古道を極めた 楊南郡と徐如林
大航海時代から世界に知られてきた島--台湾は多様なエスニックを背景とし、豊かな物語に満ちている。前世紀の末から「台湾学」が盛んになり、多くの台湾人が研究を進めている。
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2023-09-02 栖来ひかり(SUMIKI hikari)
地域の彩りと美しさ、そして共生をめざす「ファラビボ・スタディーズ」の誕生――2023ロマンチック台三線芸術祭
「ロマンチック台三線芸術祭」は、蔡英文政権が2017年より取り組む「客家文化復興」の一環で2019年に初開催され、今年で2回目を迎える。多民族が暮らす台湾で主要なエスニックグループのひとつである客家(ハッカ)、その人々が特に多く暮らす地域をカバーする道路「台三線」を舞台に、ステレオタイプに語られがちな客家文化、そして台湾社会の「当たり前」「普通」に、現代アートやデザインが対峙する試みがめざすものとは――台北在住の文筆家・栖来ひかりが報告する。
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2023-08-24 横山由希路 (YOKOYAMA Yukiji)
台湾を暮らすように旅する 滞在するだけで癒やされる台南の古民家
日本の小京都にも似た佇まいの台湾の古都・台南。古い建物をリノベーションして使い続けるお店や民宿が多い中で、日本統治時代に建てられた古民家ゲストハウス・謝宅を紹介します。10年通っても飽きない、まるで暮らすように旅ができる謝宅の魅力とは。