華南地域
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2023-06-05 内海彰(UTSUMI Akira)
【内海彰のふぉるもさ言葉考】最終回 「客家語」や原住民諸語を考慮せず、「台湾語」と呼ぶのは妥当?「台湾ホーロー語」?
オランダ、清国、大日本帝国…そして中華民国、統治者が次々に入れ替わってきた台湾の言語事情はまことに複雑だ。現在、「共通中国語」(マンダリンチャイニーズ)が多くの場面で使用されるが、「福建語」の流れにある「台湾語」を話す人々も多く、「客家(ハッカ)語」や原住民の各部族語なども存在する。1949年に蒋介石が「中華民国」ごと台湾に逃れてきたため、広大な中国大陸各地の言語も流入しており、日本語の痕跡も少なからず残っている。台湾在住26年の筆者が前回に引き続き、台湾における各言語の区別表現を考察する。