発酵食品
-
2023-05-07 台湾光華雑誌
宜蘭の味覚――時間がはぐくむ醸造の滋味
チーズ、味噌、ワインなどは、時間をかけて発酵させた食品として知られている。「東方のチーズ」と呼ばれる豆腐(腐乳。豆腐に麹をつけて塩水の中で発酵させた食品)や醤油も、食文化の中で広く用いられている。台湾東北に位置する宜蘭県は醸造環境に恵まれており、かつてはどの家でも自家製の豆腐乳や醤油を造っていた。 宜蘭県の員山郷二湖地区はパイナップル産地としては台湾で最も北に位置するエリアである。この雪山山脈のふもとで、雨と陽光の恵みを受けたパイナップルと豆腐を発酵させた「鳳梨豆腐乳」が作られている。台湾で二胡の製作者として知られている李十三も、故郷へ帰って醤油を作っている。宜蘭の風土が育んできた食材と時間が醸し出す風味を、ぜひ味わってみたい。