牛煦庭市議
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2023-04-17 上水流久彦(KAMIZURU Hisahiko)
【上水流久彦の水準器】② 政治問題化する「桃園県忠烈祠」と「桃園神社」
台湾北部・桃園市にある「桃園忠烈祠曁神社文化園区」(桃園忠烈祠・神社文化公園)が揺れている。日本統治時代の「桃園神社」建物がほぼ原形をとどめているが、戦後は辛亥革命以来の革命家や、中国大陸での日中戦争などで戦没した中国兵士の霊を祭る「忠列祠」となった場所だ。公園の運営を任された民間事業者が、一角に日本の神を祀る神社を設けて活性化を図ったところ、「抗日運動犠牲者も祀られている忠烈祠に、日本の神を祀るのは問題」と地元市議が指摘。市の判断で神は神社以外の場所に遷座させられ、「祀っていた神は今後日本に戻す」という騒動に発展した。前回詳報した経緯に加え、今回は台湾の日本統治時代の建築物の今をどう考えるべきかを模索してゆく。