王毅外相
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2023-11-27 樫山幸夫 (KASHIYAMA Yukio)
米中接近は〝かりそめの恋〟か 日本は油断を戒めよ【樫山幸夫の一刀両断】
バイデン米大統領と中国の習近平国家主席による1年ぶりの会談(11月15日、日本時 間16日午前)では、焦点の台湾問題など多くの懸案で主張がぶつかりあい、対立の根深 さを鮮明にした。関係改善が遠のいたことで、日本だけが取り残される懸念はとりあえず杞憂に終わった。とはいうものの、友好ムードがことさら演出されたのとは打って変 わって、翌日の岸田首相と習主席との会談は、冷ややかという印象すら与えかねない雰 囲気のなかで行われた。米中接近の風向き次第では日本が孤立する可能性はなお残るこ とを示しており、警戒が必要だろう。
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2023-11-07 TNL JP 編集部
豪首相が7年ぶり訪中で悪化した関係改善へ 中国、TPP入りに豪州の支援求める狙いか
首相として7年ぶりに中国を訪問したオーストラリアのアルバニージー氏は6日、習近平国家主席と会談。両国首脳は冷え切った2国間の関係の改善に意欲を示した。オーストラリアは「中国との強力な関係が利益につながる」とする一方、中国には環太平洋連携協定(TPP)加盟交渉入りをオーストラリアに認めさせたい思惑があるとみられる。
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2023-10-16 TNL JP 編集部
イスラエル攻撃でハマス批判を避けた中国 ウラには米国に代わり覇権狙う長期的戦略
イスラエル軍は14日、イスラム組織ハマスに対して陸海空から大規模な攻撃計画を準備していると発表。紛争拡大が深刻化するなか、米国のブリンケン国務長官は同日、中国政府に中東における影響力を行使するよう要請した。その中国は、今回の中東情勢が、米国に取って代わる世界のリーダーとして、「途上国に対して新たなビジョンを示す絶好の機会ととらえている」と米政治専門サイトは分析した。
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2023-10-02 樫山幸夫 (KASHIYAMA Yukio)
バイデン政権、処理水で中国批判の駐日大使に自粛要請 関係改善めざす米国に日本は梯子はずされるな【樫山幸夫の一刀両断】
エマニュエル駐日米大使が本国から〝お叱り〟をうけたという。福島第一原発の処理水放出などをめぐって中国を手厳しく批判したのがワシントンの気に障ったようだ。日本にとっては大きな援軍だったが、バイデン政権にしてみれば、対中関係改善の機運に水を差すということらしい。時あたかも、米中の政権幹部による長時間の会談が憶測を呼んでいる時期でもある。ある日突然両国が歩み寄りをみせ、これまで米国と連携して強い対中外交を展開してきた日本が梯子を外されることはないか。
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2023-08-31 TNL JP 編集部
英国議会、公文書に「台湾は独立国」と明記 中国副主席「互いの核心的利益に配慮せよ」
英議会は初めて公式文書で台湾を「独立国家」と明記したことが30日分かった。そのタイミングで同日から中国を訪問している英国のクレバリー外相は、北京で中国の韓正(かん・せい)国家副主席と会談。韓氏は「互いの核心的利益や重大な懸念について配慮しなければならない」とし、英議会が〝政治的タブー〟を破ったことに暗に触れ、英政府にくぎを刺した。
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2023-08-15 TNL JP 編集部
中国の王毅氏、フィリピンに〝協力〟呼びかけ 緊張高まる南シナ海の領有権問題で=新華社
フィリピンが実効支配する南シナ海・南沙諸島のセカンド・トーマス礁(タガログ語でアユンギン礁)に、意図的に座礁させてある軍艦の撤去を迫る中国が、新たな揺さぶりをかけてきた。中国の王毅外相は先週末、フィリピンに対し、この問題を解決するため中国と〝協力〟するよう要請したという。
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2023-04-07 樫山幸夫 (KASHIYAMA Yukio)
【樫山幸夫の一刀両断】各国が注視した蔡英文総統と米下院議長の会談 台湾の存在感増大を証明
蔡英文総統と会談したマッカーシー米下院議長(共和党)は、「ゆるぎない支援」を表明した。台湾の総統の立ち寄りに制限を科していた米国は、中国が台頭し始めた2000年代に入ってから歓迎の方針に転じた。台湾の国際的な重要さが、それにあわせて増してきたためだ。米国だけでなく日本、欧州も関係強化を進めている。中国は存在を誇示すれば、それだけ台湾の影響力増大を許す結果になる。
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2022-09-26 中央社フォーカス台湾
国連総会、中国外相「台湾は中国の一部」 外交部「歴史ねじ曲げている」
米ニューヨークで開催されている国連総会で24日、中国の王毅外相が演説し、「台湾は古来から中国にとって不可分の領土の一部」などと述べた。外交部(外務省)は25日、王氏が「歴史の事実をねじ曲げている」と報道資料で指摘。「最も厳しいけん責」を表明し批判した。
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2022-06-01 TNL JP 編集部
覇権主義中国が南太平洋の軍事拠点作り狙う 島しょ国10か国の外相会議で一部から不信感
「未来を共有する共同体」を構築するためという名目で、ソロモン諸島など南太平洋島嶼(とうしょ)国を歴訪中の中国の王毅(おう・き)外相は5月30日、同地域の10か国との外相会議で経済や安全保障での協力に向けて協定案を提示したが、一部の国が不信感や懸念を示したことで合意に至らなかった。その「懸念」とは、覇権主義という野心を隠すこともなくなった中国への危機感だった。