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2023-09-13 西岡省二(NISHIOKA.Shoji)
世界注視の首脳会談 金正恩総書記とプーチン大統領の相互補完関係がもたらす悪夢【西岡省二の羅針儀】
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記のロシア訪問で焦点となる4年ぶりのプーチン大統領との首脳会談。ともに米主導の国際秩序に反対し、西側諸国を翻弄する。緊張する国際情勢において、両国の結束がもたらすものは、北朝鮮の最先端兵器保有か、北朝鮮がロシアの対日米韓の“防波堤”になることか、あるいはウクライナ侵攻に関する情報を北朝鮮が共有し、将来の南北武力統一の教訓とすることなのか。2019年4月にはセレモニーに過ぎなかった露朝首脳会談が4年の時を経て変貌し、今回、二つの強権体制の相互補完関係が強化される契機となるかもしれない。
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2023-08-30 西岡省二(NISHIOKA.Shoji)
福島より気になる北朝鮮の水と土壌 核施設・核実験場の管理は大丈夫か【西岡省二の羅針儀】
東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出に対し、中国、韓国などから懸念の声が上がるかたわらで、ある場所での「汚染水」がどうなっているのかも気がかりだ。それは北朝鮮の核関連施設での水や土壌の管理。日本海や黄海に影響はないのだろうか。そして、放射性廃棄物による汚染の度合いを評価する手段は、果たしてあるのだろうか。
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2023-08-04 西岡省二(NISHIOKA.Shoji)
中国・ロシア・北朝鮮“戦勝”軍事パレードで露呈した3カ国の微妙な距離感【西岡省二の羅針儀】
中国とロシアは、北朝鮮の「祖国解放戦争(朝鮮戦争)勝利70周年」(7月27日)を祝うイベントに代表団を送り込み、日米韓3カ国の結束に対抗するかのように中露朝の友好関係を誇示した。ただ、軍事パレードなどの一連の祝賀行事をつぶさに分析すると、中露朝は、米国を脅威とみなす点で共通するものの、対決姿勢を鮮明にする露朝に対し、関係改善を試みる中国が微妙に距離を置くという構図が浮き彫りになっている。
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2023-07-18 西岡省二(NISHIOKA.Shoji)
日本と北朝鮮が「水面下接触」⁈ホントなのかホンキなのかエンギなのか【西岡省二の羅針儀】
日本と北朝鮮の間で最近、「水面下接触」の情報が浮いて、沈んだ。日朝間では敏感な課題が扱われるため、「接触」は秘密裏に進められ、外部にはわかりにくい。それがメディアに漏れるとすれば、「接触」を快く思わない国(機関)が情報をつかみ、リークする時だろう。韓国メディアが最近、報じたこの「日朝の水面下接触」情報から何が読み取れるのか。
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2023-07-05 西岡省二(NISHIOKA.Shoji)
私も中国でスパイに疑われた!改正「反スパイ法」は果たして習近平政権の基盤を強化するか
中国では今月1日、スパイ行為の対象を広げた改正「反スパイ法」が施行され、日本では中国と接点を持つ幅広い層に警戒感が広がっている。当局が恣意的な判断で「スパイ行為」を認定する恐れがあり、中国への旅行・出張をためらう声も聞こえる。経済成長よりも政治的安定を優先せざるを得ない習近平政権の特殊性を露呈した形といえそうだ。実際に中国で取材中、スパイ行為を疑われ、摘発されたことのある筆者が改正「反スパイ法」が何を中国にもたらすのかを考察してみた。