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2023-06-06 近藤伸二 (KONDO Shinji)
半導体製造だけじゃない?「設計」でも存在感高める台湾勢【近藤伸二の一筆入魂】
米株式市場で5月末、米半導体大手エヌビディアの時価総額が半導体企業として初めて1兆ドル(約140兆円)を超え、世界の注目を集めた。同社は半導体の設計を専門に行う「ファブレス」で、台湾出身のジェンスン・ファン(黄仁勳)氏が最高経営責任者(CEO)を務める。半導体を受託製造する「ファウンドリー」では、台湾積体電路製造(TSMC)が圧倒的なシェアを誇っているが、米国が得意とするファブレスの世界でも台湾の存在感が高まっている。
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2023-05-18 近藤伸二 (KONDO Shinji)
国民党は侯氏を公認 台湾・総統選主要3候補が出そろい、野党連携の成否も焦点【近藤伸二の一筆入魂】
2024年1月に実施される台湾・総統選の主要3候補が出そろった。4月に頼清徳副総統出馬を決定ずみの与党・民主進歩党(民進党)に続いて、最大野党・中国国民党(国民党)は5月17日、侯友宜・新北市長を公認候補に指名。第三勢力の台湾民衆党(民衆党)も同日、柯文哲・前台北市長を正式に公認候補に選んだ。これで三つどもえの選挙戦が本格化するが、国民党内には民衆党との連携を模索する動きもあり、野党協力が実現するかどうかも焦点となっている。
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2023-04-30 近藤伸二 (KONDO Shinji)
24年台湾・総統選で野党の候補者選び大詰め、候補一本化の可否も焦点に【近藤伸二の一筆入魂】
2024年1月13日に行われる台湾・総統選まで8カ月余りとなり、野党の候補者選びが大詰めを迎えている。最大野党・国民党、第三勢力の台湾民衆党とも、新総統就任のちょうど1年前となる5月20日ごろに決める予定で、最終調整を急いでいる。一足早く頼清徳副総統を公認候補に選んだ与党・民進党を追う展開となるが、野党側が候補者を一本化できるかどうかも鍵を握る情勢となっている。
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2023-04-06 近藤伸二 (KONDO Shinji)
米下院議長との会談で中国の「レッドライン」を打ち破った台湾・蔡英文総統【近藤伸二の一筆入魂】
4月5日午前(日本時間6日未明)、米カリフォルニア州ロサンゼルス郊外でマッカーシー米下院議長と会談した台湾の蔡英文総統。1979年の米台断交後、台湾の総統が米国で下院議長と会うのは初で、米台関係の強固さを世界にアピールした。2年連続で米下院議長との会談が実現した蔡氏にとって外交上の大きな得点だが、これに反発する中国の動向が注目されている。
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2023-03-27 近藤伸二 (KONDO Shinji)
中国の「外交孤立化」策に追い込まれる台湾、2024年総統選の行方にも影響【近藤伸二の一筆入魂】
中米ホンジュラスは3月26日、台湾と断交し、中国と正式な外交関係を結んだ。蔡英文政権下の台湾と断交したのは9カ国目。これで台湾が外交関係を持つ国は13カ国に減少し、29日からの蔡英文総統の中米2カ国訪問に水をさされた形となった。2024年1月に迫った台湾・総統選を前に、中国は台湾の「外交孤立化」策を進める構えで、対抗する米国と合わせた両国の動向が、総統選の結果を左右する情勢となってきた。
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2023-03-10 近藤伸二 (KONDO Shinji)
訪米で「1歩後退、2歩前進」狙う台湾の蔡英文総統【近藤伸二の一筆入魂】
4月上旬に訪米予定の台湾の蔡英文総統は、滞在中、米下院議長との会談やレーガン記念図書館での講演などを調整中だ。実現すれば外交面で与党・民主進歩党の大きな得点となり、来年1月の総統選にも追い風となりそうだ。中国を過度に刺激したくない米側が下院議長訪台を見送ったことを受けての一手で、転んでもただでは起きない台湾のしたたかな一面が垣間見られるとともに、中国側の出方次第では両刃の剣となりかねない側面が懸念される。
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2023-02-14 近藤伸二 (KONDO Shinji)
対立激化でも高まる米国の「中国依存」【近藤伸二の一筆入魂】
米国と中国の貿易額が2022年、過去最高を更新した。貿易戦争の渦中で輸出入が増える背景には、米国や同盟国・友好国と中国の間で広がるデカップリング(切り離し)は安全保障にかかわる分野などごく一部でしか進まず、IT関連機器からプラスチック製品まで「世界の工場」として効率的な生産を可能にする中国への依存から抜け出せない構造がある。
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2023-02-08 近藤伸二 (KONDO Shinji)
日本の同性婚合法化の動きにアジアも注目【近藤伸二の一筆入魂】
1日の衆院予算委員会で、岸田首相が同性婚法制化について慎重な姿勢を示したことを発端に、首相秘書官だった荒井氏の差別発言など、政権の人権感覚の貧しさが露呈している。性的少数者への理解を増進する法整備が動き出したが、2021年には自民党がLGBT法案の了承を見送った経緯もあり、現在も同党内には根強い反対論がある。G7で唯一同性婚を合法化していない日本。アジアで唯一同性婚を認めている台湾では、日本の後進性を指摘する論調も見られる。
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2023-02-04 近藤伸二 (KONDO Shinji)
与党苦戦も予想される24年総統選まで1年 台湾・新内閣発足で問われる成果【近藤伸二の一筆入魂】
24年総統選まであと1年。昨年11月の統一地方選(九合一選)で大敗を喫した与党・民進党では、副総統の頼清徳氏が新たに党主席(党首)に就任し、次期総統候補と目されている。一方、行政院長(首相に相当)には前副総統の陳建仁氏が新たに起用され、新行政院(内閣)が発足したが、「新味に乏しい」とのメディアの批判も。24年総統選に関する世論調査では、野党の候補者次第で与党の苦戦も予想されているだけに、新型コロナの初期水際対策で手腕を発揮した陳氏が新内閣で成果をあげられるかどうかが注目されている。
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2022-11-22 近藤伸二 (KONDO Shinji)
24年総統選にどう影響?与党苦戦の最終盤-台湾・統一地方選【近藤伸二の一筆入魂】
4年に1度の総統選の前哨戦に位置づけられる台湾の統一地方選。総統選と違って外交課題が争点になりにくい統一地方選では、蔡英文政権のコロナ対策への不満や、論文盗作問題による候補者差し替えのイメージダウンなどで与党・民進党が苦戦を強いられています。ジャーナリスト・近藤伸二さんからの寄稿です。