2021-12-21 政治・国際

台湾のコロナ対策と市民生活 ―コロナ発生から丸2年-

© AP /TPG Images

 

この感染者数急増が始まった5月中旬に、デパート、コンビニなどの店舗、映画館、図書館などの施設、飲食店、薬局、市場、雑貨店、美容院などほとんど全ての場所で、実名を登録するか、各店ごとに割り当てられたQRコードをスマートホンでスキャンしなければ入れないシステムも導入された。

 

ワクチンに関しては、2021年2月にワクチンの接種が始まり、最初は中国の妨害などで計画より多少遅れ気味であったが、外国からの援助や台湾企業の努力のおかげでワクチン接種率はかなり上がってきている。一回でもワクチン接種を終えていればスポーツ大会や色々なイベントなどへの参加手続きも簡素化されるため、「COVID-19疫苗接種記録卡」、いわゆるワクチンパスポートも発行・利用されている

© ワクチン接種記録カード

このように外国と比べて非常に優秀な感染対策「台湾モデル」であるが、入国制限、外食禁止、マスク着用義務化と罰金などは、ヨーロッパやアジア、アフリカ、南米、北米など、台湾と同じようにすでに行われている国も多数ある。しかし、それらの国では同時に国民からの反発も凄まじく、ベルギーやオランダでは抗議デモの暴徒化や機動隊との衝突が起きており、オーストリア、イタリア、クロアチア、デンマークでは大規模な抗議デモ、グアドループでは商店強奪、放火など、国民の自由を制限する政策に強く反発している。

 

その一方、日本で大規模なデモや反対運動、暴動などが起きていないのは、14日間の隔離が終われば入国できるし、外食や酒類提供の制限、営業時間の短縮、マスク着用などはすべて義務ではなく、「お願い」レベルだからである。

この観点から台湾を見ると、台湾では多くの施策が命令だったり義務だったり、罰則付きだったりして強制されているにもかかわらず、大規模な抗議デモが全くないことは特記すべきと考える。

 

抗議運動が起きていない理由は、台湾人の性格が比較的穏やかであるのはもちろんのこと、それに加えて、政府や地方自治体が先手先手で適切な対策を講じてきたこと、そしてそれが成功し世界でもトップクラスのコロナ対策優等国となり、国民が誇りと自信を持っていることが、デモ、暴動、衝突などがなく、感染者数激増もなく、外国と比べて健康的で平穏な日々が過ごせている、根本的で最大の理由ではなかろうか。

 

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