ヴァレーニキはウクライナの水餃子だが、東ヨーロッパ各地に広がっている。その最大の特徴は中の餡で、主に2つに分けられる。それは、しょっぱい味と甘い味。
ウクライナ人の第2国民食(ボルシチに次ぐ)と評された水餃子だが、その起源は不明である。ウクライナの餃子で人気がある上位三番の中身は、マッシュポテト、クワルク(フレッシュチーズの一種)、チェリーだ。夏の時期には、特に果物の餡がとても人気だ。
ヴァレーニキを作る時、順序が普通の餃子と少し違う。中身のひき肉は水で煮てから包む。また、蒸すことも出来るし、水で煮てから揚げる人もいる。通常、甘いヴァレーニキ(ベリー、クワルクなど)は、砂糖やジャムを添え、しょっぱいもの(ひき肉、キノコ類、野菜)にはサワークリームを添える。
#04:文化遺産に登録された餃子―ドイツ・シュヴァーベン地方の水餃子マウルタッシェン

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マウルタッシェンはシュヴァーベン地方の郷土料理で、ドイツ語では「口の中のカバン」という意味がある。比較的大きな餃子の皮に大量の餡が包まれていて、ミンチ肉、ベーコン、ほうれん草、パン粉、玉ねぎ、いくつかの香辛料が入っている。通常は四角い形で、大きさは一般的に8~12センチだ。
マウルタッシェンの起源は、男修道院の修道士によって、四旬節(イースターの前四十日間)の間に豚肉をこっそり食べたことをごまかすために考案されたものだそう。2009年、EUはマウルタッシェンを「地方特産品」として認定し、バーデン・ヴュルテンベルク州の文化遺産としている。この名誉は、餃子の「本場の作り方」も守ることになる。
#05:宇宙船にのような国民料理―リトアニア水餃子 ツェペリナイ

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もしレッド・ツェッペリンというバンド名を聞いたことがあるなら、あなたもこの餃子の名前に聞き覚えがあるだろう。この餃子は、見た目が宇宙船のように見えることから付けられた名前だからだ。
リトアニアの国民料理として知られたツェペリナイは、通常、主食として食卓に出される。他の国の水餃子とは異なり、ツェペリナイの外皮はジャガイモで作ったものだ。餡は通常、挽き肉、チーズ、キノコで構成されている。煮終わった後も、サワークリーム、ベーコンを細かくしたもの、または豚の皮を揚げたものと一緒に食べられている。
一般的にツェペリナイの大きさは10〜20センチで、地域によって異なるが、西部地域は通常東部地域より大きい。
#06:極めて濃厚な宗教色―ネパール人の蒸し餃子 ヨマリ

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蒸し餃子の紹介コーナーではまず、より地域の分化に密着した餃子を紹介する。
ネパールにはヨマリという蒸し餃子がある。しかも、甘い。それはサトウキビとナッツを混ぜたチャクという中身を包んだものだ。また、地元のヨマリ・プニ祭りの重要な主人公であり、農作物の豊作を祝うために使われる。