2022-04-01 政治・国際

「世界餃子大賞」台湾以外の場所で思いがけない餃子に遭遇

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世界中の注目を集める戦火のウクライナにも餃子がある。そのなかで人気の上位3番の中身は、マッシュポテト、クワルク(フレッシュチーズの一種)、チェリーだ。夏の時期には、特に果物の餡(あん)がとても人気だ。

「食べ物はおいしいだけでは足りない。思い出しても、おいしくなければいけない」フランスの人類学者クロード・レヴィ=ストロースは、かつて「今日のトーテミス無ミスム」で、このような考えを表した。言葉の意味は、食べ物は美しい想像の中で生まれるということだ。料理とはすなわち、民族性、信仰、習慣などその土地の文化的要素を集約させてこそ、その土地の食欲を満足させてくれるのだ。

しかし、時が進むにつれて人類はすでに数え切れないほどの移動をしてきた。それに伴い、料理の原始的な姿に影響を与えた。今日、一つの料理はすでに異なる土地の文化のもとで、より多様な姿を生み出した。

この文章は「餃子」(dumpling)をテーマに、世界の様々な所で、どのように文化の洗礼を受け「おいしいだけでは足りない、思い出してもおいしい」ものになるのかを探る。

中華圏だけでも餃子はすでに様々な形で進化してきた。蒸し餃子、揚げ餃子、スープに入れる水餃子と、その地域によってどのように変化してきたかは想像もつかないほど。そのため、アジア以外の5種類の水餃子と2種類の蒸し餃子を選び、それぞれ紹介する。


#01:パンで出来た耳-ロシアの水餃子 ペリメニ

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ロシア餃子ペリメニ(シベリア餃子)は、ウラル地方を起源とするロシア料理だ。ウラル語族のペルム語で、ペリメニは「パンで作った耳」を意味する。小さく、形が丸く、餡は牛、羊、豚肉が主である。食べ方も多様で煮る、焼く、揚げる、蒸す、スープに入れて調理することもある。

ペリメニはロシアでは普段、主食として食べる。作り方は簡単で、ほとんどのロシア料理店で売っている。もう一つの特徴はソースをつけて食べることだ。一般的なソースはマヨネーズ、ケチャップ、クリームなどがあるが、その中でサワークリームが最も一般的だ。


 

#02:かつて教皇選挙の秘密会議で出された―イタリアの水餃子ラビオリ

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実際、ラビリオはパスタの一種に分類されることが多いが、その作り方は水餃子に近いので、一般的にスープやソースと混ぜて食べる。その歴史は古く、14世紀半ばのヴェネチアから受け継がれている。また、より有名なのは1549年頃、ルネサンス期の有名な料理人バルトロメオ・スカッピが調理し、当時の教皇選挙の秘密会議にしばしば献上されていたという話だ。

伝統的なラビオリは家庭で作ることが多いが、中身の餡は地域によって変わる。ローマとラティウム地域では、チーズ、ほうれん草、豆と黒胡椒の組み合わせが多く、サルデーニャ島ではチーズとレモンの皮の組み合わせだ。しかし、現代のラビオリは製造過程で多くの機械を使用している。


#03:夏にはフルーツバージョンもある―東欧ウクライナ水餃子ヴァレーニキ

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ヴァレーニキはウクライナの水餃子だが、東ヨーロッパ各地に広がっている。その最大の特徴は中の餡で、主に2つに分けられる。それは、しょっぱい味と甘い味。

ウクライナ人の第2国民食(ボルシチに次ぐ)と評された水餃子だが、その起源は不明である。ウクライナの餃子で人気がある上位三番の中身は、マッシュポテト、クワルク(フレッシュチーズの一種)、チェリーだ。夏の時期には、特に果物の餡がとても人気だ。

ヴァレーニキを作る時、順序が普通の餃子と少し違う。中身のひき肉は水で煮てから包む。また、蒸すことも出来るし、水で煮てから揚げる人もいる。通常、甘いヴァレーニキ(ベリー、クワルクなど)は、砂糖やジャムを添え、しょっぱいもの(ひき肉、キノコ類、野菜)にはサワークリームを添える。


#04:文化遺産に登録された餃子―ドイツ・シュヴァーベン地方の水餃子マウルタッシェン

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マウルタッシェンはシュヴァーベン地方の郷土料理で、ドイツ語では「口の中のカバン」という意味がある。比較的大きな餃子の皮に大量の餡が包まれていて、ミンチ肉、ベーコン、ほうれん草、パン粉、玉ねぎ、いくつかの香辛料が入っている。通常は四角い形で、大きさは一般的に8~12センチだ。

マウルタッシェンの起源は、男修道院の修道士によって、四旬節(イースターの前四十日間)の間に豚肉をこっそり食べたことをごまかすために考案されたものだそう。2009年、EUはマウルタッシェンを「地方特産品」として認定し、バーデン・ヴュルテンベルク州の文化遺産としている。この名誉は、餃子の「本場の作り方」も守ることになる。


#05:宇宙船にのような国民料理―リトアニア水餃子 ツェペリナイ

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もしレッド・ツェッペリンというバンド名を聞いたことがあるなら、あなたもこの餃子の名前に聞き覚えがあるだろう。この餃子は、見た目が宇宙船のように見えることから付けられた名前だからだ。

リトアニアの国民料理として知られたツェペリナイは、通常、主食として食卓に出される。他の国の水餃子とは異なり、ツェペリナイの外皮はジャガイモで作ったものだ。餡は通常、挽き肉、チーズ、キノコで構成されている。煮終わった後も、サワークリーム、ベーコンを細かくしたもの、または豚の皮を揚げたものと一緒に食べられている。

一般的にツェペリナイの大きさは10〜20センチで、地域によって異なるが、西部地域は通常東部地域より大きい。


#06:極めて濃厚な宗教色―ネパール人の蒸し餃子 ヨマリ

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蒸し餃子の紹介コーナーではまず、より地域の分化に密着した餃子を紹介する。

ネパールにはヨマリという蒸し餃子がある。しかも、甘い。それはサトウキビとナッツを混ぜたチャクという中身を包んだものだ。また、地元のヨマリ・プニ祭りの重要な主人公であり、農作物の豊作を祝うために使われる。

ヨマリが最も目立つのは、その奇抜な外見だ。いくつかの説によると、それはインドの女神サラスヴァティー  のシンボル記号の半分だ。また、六世紀のアムシュ・ヴァルマ時代に、カトマンズでヨマリを作る習慣があったという記録もある。


#07:食べ切っても捨ててもいけない―ジョージアの蒸し餃子 ヒンカリ

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ヒンカリ(Khinkali)はジョージアの食文化で非常に重要な食べ物だ。肉と香辛料を包んで蒸して作る。見た目で最も目を引くのは、トップの「巨大な結び目」だ。

実際、ヒンカリは作り方、食べ方、イメージとも台湾の小籠包に最も似ている。生肉を包んでスープを入れてしっとり仕上げる。食べる時、まず一口かんで、中身のスープを吸い、必要であれば、黒胡椒を少しかけて味付けをする。しかし、小籠包との最も大きな違いは、頭の上の結び目。それは食べやすく、爆発しにくいように設計されている。

面白いのは、頂上は「つかむ」用で、食べるのではなく、皿に残して、食事が終わると何個食べたかを計算する。ジョージア語でその結び目は「クディ」と呼ばれている。

そしてヒンカリの食用マナーも独特だ。食べる時は片手で食べなければならない。カトラリーを使うと、一種の間違いとか未熟さとして見られる。以下は食用時の説明書に添付されたものだ。

 

この7種類の餃子以外にもきっと餃子の進化について、何かあるはずだ。鞭神先生(台湾の李迺澔氏) は「百年食卓」という本でもその発展を精緻に書いた。「餃子は庶民の日常食であると同時に洗練され、あるところでは卓越した料理として進化を遂げてきたのだ」

確かにそうだ。今では、道端の屋台や餃子チェーン店のほか、科学技術の発展も需要に応じて冷凍餃子を生み出し、各高級中華料理店で餃子の姿を見ることができるし、柔軟な発展を表している。

上記の7種類の餃子を知ってから、中国起源の水餃子が、異なる文化の下でこんなに多様な風貌に変化しているなんて、私はとても感動した。しかし、別の観点から考えると、おそらく台湾でシャワルマがホットドッグのパンに挟まれていることを知った中東の人々や、台湾で蝦月餅の存在を知ったタイ人もさぞ驚いたことだろう。

データを集める過程で、上記の7種類の餃子以外にも、想像を超える餃子をたくさん発見した。閲覧しながら感嘆しながら、世界のどこかにはまだ知られていない餃子の姿があるに違いないと思っている。

 

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