世界中の注目を集める戦火のウクライナにも餃子がある。そのなかで人気の上位3番の中身は、マッシュポテト、クワルク(フレッシュチーズの一種)、チェリーだ。夏の時期には、特に果物の餡(あん)がとても人気だ。
「食べ物はおいしいだけでは足りない。思い出しても、おいしくなければいけない」フランスの人類学者クロード・レヴィ=ストロースは、かつて「今日のトーテミス無ミスム」で、このような考えを表した。言葉の意味は、食べ物は美しい想像の中で生まれるということだ。料理とはすなわち、民族性、信仰、習慣などその土地の文化的要素を集約させてこそ、その土地の食欲を満足させてくれるのだ。
しかし、時が進むにつれて人類はすでに数え切れないほどの移動をしてきた。それに伴い、料理の原始的な姿に影響を与えた。今日、一つの料理はすでに異なる土地の文化のもとで、より多様な姿を生み出した。
この文章は「餃子」(dumpling)をテーマに、世界の様々な所で、どのように文化の洗礼を受け「おいしいだけでは足りない、思い出してもおいしい」ものになるのかを探る。
中華圏だけでも餃子はすでに様々な形で進化してきた。蒸し餃子、揚げ餃子、スープに入れる水餃子と、その地域によってどのように変化してきたかは想像もつかないほど。そのため、アジア以外の5種類の水餃子と2種類の蒸し餃子を選び、それぞれ紹介する。
#01:パンで出来た耳-ロシアの水餃子 ペリメニ

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ロシア餃子ペリメニ(シベリア餃子)は、ウラル地方を起源とするロシア料理だ。ウラル語族のペルム語で、ペリメニは「パンで作った耳」を意味する。小さく、形が丸く、餡は牛、羊、豚肉が主である。食べ方も多様で煮る、焼く、揚げる、蒸す、スープに入れて調理することもある。
ペリメニはロシアでは普段、主食として食べる。作り方は簡単で、ほとんどのロシア料理店で売っている。もう一つの特徴はソースをつけて食べることだ。一般的なソースはマヨネーズ、ケチャップ、クリームなどがあるが、その中でサワークリームが最も一般的だ。
#02:かつて教皇選挙の秘密会議で出された―イタリアの水餃子ラビオリ

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実際、ラビリオはパスタの一種に分類されることが多いが、その作り方は水餃子に近いので、一般的にスープやソースと混ぜて食べる。その歴史は古く、14世紀半ばのヴェネチアから受け継がれている。また、より有名なのは1549年頃、ルネサンス期の有名な料理人バルトロメオ・スカッピが調理し、当時の教皇選挙の秘密会議にしばしば献上されていたという話だ。
伝統的なラビオリは家庭で作ることが多いが、中身の餡は地域によって変わる。ローマとラティウム地域では、チーズ、ほうれん草、豆と黒胡椒の組み合わせが多く、サルデーニャ島ではチーズとレモンの皮の組み合わせだ。しかし、現代のラビオリは製造過程で多くの機械を使用している。
#03:夏にはフルーツバージョンもある―東欧ウクライナ水餃子ヴァレーニキ

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