2021-12-20 経済

英国で新型コロナ感染者が1日10万人に迫る  オミクロン株8割も致死率はデルタ株の半分か

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新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の感染が急拡大する英国。首都ロンドンでは同株による新規感染者の割合が8割を超え、カーン市長は18日、「緊急事態」を宣言した。同国では1日の新規感染者が10万人に迫る勢いで、昨年コロナ禍が始まって以来、最悪の水準だ。人口がほぼ2倍の日本に当てはめると1日に20万人近い規模になる。

 

英国の保健当局は19日、オミクロン株と判明した新規感染者が過去最高の1万2133人となり、累計で3万7101人になったと発表。オミクロン株の最初の感染者が11月27日に2人確認されてから急拡大し、首都での新規感染に占める同株の割合は、今月13日の発表で44%だったものが、18日時点では83%。英国全体でも同期間に20%から62%に増えた。

 

「オミクロン株感染で入院する確率は?」との見出しで現状の検証記事を特集した英紙デーリー・メール(電子版)によると、感染判明から重症化して入院するまで1~2週間のずれが生じるため、保険当局は今後数週間で入院患者や死者が急増することを懸念していると伝えた。

 

ただ、オミクロン株が最初に確認された南アフリカのデータを見る限り、必ずしも悲観的なものではない。

 

同紙によると、南アの首都プレトリアでオミクロン株感染者の致死率は、前回猛威を振るったデルタ株の時に比べ半分以下で、同国の保健当局はオミクロン株の症状が比較的軽いとしている。ただ、これは同国の若い世代がすでにワクチン接種済もしくはコロナ感染経験があるという事実が影響している可能性もあるとしている。

 

さらに、英国の過去1週間のデータをみても同様の傾向がうかがえる。この1週間平均で新型コロナウイルス感染による新規入院患者は865人で死者は112人。これらの数字はほぼデルタ株の感染者とみられる。

 

一方、オミクロン株に感染し病院に収容されたのは、19日までに計104人となっており、これは同株の感染者全体の約0.28%。また、死者は12人で、致死率は約0.032%。つまり、現時点でオミクロン株に感染して入院したのは1000人のうち3人弱で、死亡は1万人で3人ほどとなっている。

 

英国のジャヴィド保健相は同日、BBCの番組で「現時点では観察を続けている状況だ」とした上で、国民にワクチン接種の徹底を呼び掛けた。英国の2回接種率は約70%から伸び悩んでいる。