2022-03-29 経済

コロナ拡大の上海で最大級の都市封鎖始まる 2200万人が外出禁止、現地日本企業も休業

© Photo Credit: Reuters / 達志影像 Shanghai lockdown

中国最大の都市で〝経済の首都〟上海で今週、2020年の武漢以来、最大規模となる新型コロナウイルスの感染拡大によるロックダウン(都市封鎖)が始まった。政府の「ゼロコロナ」政策に沿った対応で、同市の全住民およそ2600万人を対象に、2地区に分けて一斉PCR検査を開始した。

上海市の中央を流れる黄浦江(こうほこう)を境に東西2つの地区に分け、日にちをずらして集団PCR検査を行う。金融機関などが集まる東側では、28日から5日間実施され、広大な商業地区が広がる西側は、4月1日から5日間実施される。検査実施期間中は対象地域の住民の外出を禁止し、バスやタクシーなど公共交通機関の運行も停止される。

上海市当局は検査の結果、陽性と判明した住民を隔離し、新規感染のさらなる拡大を阻止するとしている。感染者受け入れには2010年の上海万博で使われた敷地に臨時隔離施設を開設し、すでに感染者を収容している。

AP通信によると、パンデミックが始まって以来、上海はこれまで地域や職場での小規模クラスターにはそれぞれの地域を封鎖して対応してきたが、世界中に広がったオミクロン株の感染拡大で、史上最大となる今回の都市封鎖が決まった。19年、最初に新型コロナウイルスによるヒトへの感染が報告された武漢は20年1月から76日間、全住民1100万人を対象に都市封鎖した。

同通信は、この数日間は無症状を含め千人単位の新規感染者で推移し、28日には新たに3450人が報告された。ただ、そのうち症状があったのはわずか50人としている。

上海市当局によると、ロックダウン中に住民は自宅から出ることを禁止され、配送物資は所定の集積場に留め置かれ、外部との接触を一切絶つことになる。また、市民生活に最低限必要な事業を除き、全ての経済活動は停止されるという。

そのため、上海市民の間で食料や生活必需品などの買い占めが起き、ロックダウン前日の27日には、市内のスーパーマーケットの棚から商品が消えた。また、市内各所で防護服姿の作業員らにより進入禁止のバリケードや検問所が設置されたとAP通信は報じた。

この封鎖措置を受け、東側地区に工場を持つ米テスラ社は上海工場の操業を一時停止した。ロイター通信によると、同社は当初、ロックダウン期間中は従業員を敷地内に留め、外部との接触をシャットアウトするバブル方式を試みたが、十分な食料を確保できなかったため閉鎖に踏み切ったという。

その影響は日本企業にも及んでいる。上海でカジュアル衣料品店「ユニクロ」を87店舗展開するファーストリテイリングも今週は東側にある21店舗を閉め、西側でも20店舗が休業している。さらに、日本航空や全日本空輸も従業員が空港に出勤できないことから、上海への貨物便の運航をキャンセルした。ほかにもコンビニエンスチェーン「ローソン」は同市の約300店舗を休業している。

世界がすでに「ウィズコロナ」に切り替えたにもかかわらず、これまで一貫して「ゼロコロナ」を押し通し、強権を行使して経済や市民生活を犠牲にしてきた習近平政権だけに、方針転換は政策の失敗を認めることになりかねない。今後、どの時点で規制緩和に踏み切るのかが注目される。

 

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