2021-12-17 経済

新型コロナ感染者数が1日1万人に迫る韓国 病床使用率9割超えで「待機中に死亡」相次ぐ

© Reuters / TPG Images

韓国の新型コロナウイルス感染の拡大が止まらない。11月1日に“ウィズコロナ”のもと規制緩和したとたん、感染者数が急上昇を続け、16日には1日で7591人の感染者を確認。重症者は過去最多の989人を記録し、死者も1日100人に迫っている。そのため韓国政府は同日、再び防疫措置の強化に踏み切ることを発表した。気になるオミクロン株の感染者数は128人(15日現在)とされているため、これまでのデルタ株感染の再拡大とみられる。

 

同国の聯合ニュースによると、文大統領は「段階的な日常回復の過程で重症患者の増加を抑えられず、病床確保などの準備が十分ではなかった」と認め、「強化された防疫措置期間に確実に再整備し、状況を最大限安定化させ、日常回復への希望を持ち続けていきたい」と述べた。

 

それにより、韓国政府は私的な集まりを4人までに限定し、飲食店などの営業時間を午後9時までにするなどとしている。

 

日本で感染者が1日過去最高の2万5876人を記録した頃、韓国では1000人台にとどまっていた。ところが、規制が解除されると激増し、韓国メディアは「1万人突破が目前に迫る」と伝えている。

 

それでも欧米諸国と比較すると「ひと桁少ない」というのが現実だ。例えば、米国での新規感染者は再び増加傾向にあり、この1週間平均で1日10万人超え。英国も同様の傾向で1日7万人を超えている。また、15日現在、フランスは約6万5000人、ドイツは約5万7000人、イタリアは約2万3000人、スペインは約2万7000人などとなっている。

 

しかし、欧米と比較して韓国がより深刻な状況にある理由は医療体制だ。政府は今後3週間で1万人分の病床を確保するとしているが、すでに首都ソウルでは病床使用率は9割を超え、ほぼ満杯状態だという。世界中でより感染力の強いオミクロン株の拡大が進んでいるだけに「このままでは医療ひっ迫に拍車がかかることになる」と医療関係者は懸念している。

 

韓国紙・中央日報は16日、「重症患者が発生しても、病床の割当を受けることができず、待機中に死亡する。病床に空きが出ても、救急車が出払っていて待機中に亡くなる。救急車に乗った患者は受け入れ先の病院がなく、救急車で酸素ボンベを交換しながらなんとかその場をしのいで再び家へ帰る。あちこちでコロナ患者が待機中に命を失っている」と緊迫した医療現場の様子を伝えた。

 

一方、11月に政府が“ウィズコロナ”政策にシフトした直後、英オックスフォード大による新型コロナ厳格度指数は韓国の脆(ぜい)弱性を示唆していた。同指数(11月8日付)によると、韓国は100点満点中39・35。これはG20(EU加盟国を含め)43か国の最低水準で、韓国より低かったのはメキシコとスロベニアだけだった。

 

ワクチン接種率が80%を超え、“K防疫”の優秀さを誇示してきた韓国だが、今ではそんなマジックワードも消え、日を追うごとに国民の不安が膨らんでいる。



 

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