2021-12-16 経済

SpaceX社倒産危機!スターシップのエンジン生産に問題が マスク社長の「テスラ株売却」は会社延命のためとの噂も

© REUTERS/TPG Images

注目ポイント

最近、SpaceX社社長のイーロン・マスク氏が同社社員宛にメールを送った。その中身は、新世代ロケット・スターシップのラプターエンジンが生産危機に陥ったという衝撃的なもの。しかも、来年2022年までに2週間に1度のペースで、スターシップを打ち上げられなかった場合、SpaceXは「倒産リスク」に直面する可能性がある、とも書かれていた。


ラプターエンジンの研究・開発が順調に進まない場合、StarlinkSatellite V2を含むSpaceXの計画生産も難しくなる。マスク氏は「私たちは多額の資金を費やし、ターミナル上で毎年数100万台の衛星生産を行う」と話し、これはエンジンがその役に立たない場合、大量の衛星も使い道がなくなることを意味する。「真相を追及すれば、来年最低2週間に一度のペースでスターシップが飛行できない場合、私たちは本当に倒産リスクに直面する恐れがある」とマスク氏はメール上で強く主張しているのだ。

「Space Explored」は、この件に関する連絡をSpaceXにしたが、返信は未だない。しかし、スターシップはSpaceXの未来に必要不可欠な存在であり、中型輸送ロケット・ファルコン9号で大きな成功を収めたが、「再利用」という技術の壁をまだ越えられずにいる。今回のメールの一件でSpaceXのエンジン生産が困難に直面していることは明らかだ。

 

SpaceXの巨額資金工面にマクス氏がテスラ株売却との報道も

 

ニュース専門の放送局「CNBC」が、昨年に取得したSpaceX内部郵便によると、マスク氏は社員に対してスターシップを会社の「最優先事項」とし、「直ちに明確な開発を進める」よう要求したとある。 衛星産業の専門家が「Space Explored」の取材に以下のように話している。「爆破や破壊が目標の場合、人々はより多くの資金をそれに費やし、爆破過程から大量のデータを取得することで産物も生まれるが、それでもコストはすごく高い」。これまで、マスク氏はロケットによる火星移住の夢を達成しようとしていたが、昨年12月、今年2月、3月初旬と3回に渡る飛行テストは失敗に終わり、毎回爆発のアクシデントが起きている。


また昨年、「スターシップ」の原型といわれる「Serial Number 8」(SN8)が、高度テストフライトを行った。SN8の離陸過程は順調で、空気動力学性能テストなどを含むあらかじめ設定した幾つかの目標により、最終的には高度4万フィートの打ち上げに成功した。だが、飛行6分後にSN8が着陸を試みた際、墜落・爆発が起き、2.16億米ドル(約245億6500万円)のスターシップ原型が一瞬にして炎の中に消え、濃い煙だけが残った。

 

当時、マスク氏はこの事故に対して、集中管理燃料箱の圧力の低さが着陸速度の加速を引き起こしたと話した。しかし、彼は最新のテストで「自分たちが必要な全てのデータを収集することができた」と説明している。

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