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≪娯楽時代 エンターテインメントとしての野球≫
そんな中で、明るいニュースとしては、2006年~07年に王建民がニューヨークヤンキーズで2年連続19勝をあげる大活躍、今は陳偉殷や陽岱鋼が日米で大活躍して、台湾のファンを喜ばせている。また、2006年、台中の胡志強市長の肝煎りで臺中市洲際棒球場(台中インターコンチネンタル野球場)が開場し、以降、多くの国際試合がここで行われるようになった。
台湾野球は、立て直しのために再び動き出した。
2012年3月、日本の社会人選抜、大学生選抜、侍ジャパンが参加する東日本大震災復興支援ベースボールマッチにプロ野球台湾代表も参加し、東京ドームで侍ジャパンと試合をした。2013年、地方開催を増やし、ファン拡大を目的に、台湾東部にある花蓮棒球場で初のプロ野球試合を設定した。またこの年、台湾でチアガール制度が始まり、試合の応援はもとより、ローカルビジネスとのコラボや芸能活動などを通してファン層を拡大、インフラにも力を入れ、食堂・売店やバーベキューサイト、VIPルームの開設や、ビールの売り子などなど、明るいイメージとエンターテインメント性を前面に押し出し、子供、女性、家族連れなど新たなファンの獲得に親会社が動き始めた。
筆者がコーチを務める台北の日本人少年野球チームも3年前、富邦ガーディアンズに招待され、内野席で試合を応援した。子供たちはみんな、富邦グッズやガーディアンズタオル、バッジ、お弁当などをもらって至れり尽くせりの接待を受け、テレビ中継でも紹介された。何人かの子供はガーディアンズファンになった。このようなサービスは富邦ガーディアンズだけではなく、全てのチームが行っている。
2019年、一度解散した味全ドラゴンズがCPBに再加盟、そして今年2022年には、台湾第2の都市、高雄にある澄清湖球場を本拠地に、台湾鋼鉄集団が6チーム目として新加盟する予定で、これで北部の台北から南部の高雄まで全国にプロ野球チームが展開、今年も、鳥肌が立つくらい熱い戦いを繰り広げ、私たちファンを楽しませてくれるだろう。
第3回終わり
(次回は≪台湾の少年野球≫についてレポートします)
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