注目ポイント
多くの人は、新型コロナウィルスが世界を元の姿に戻せないと思っているが、そうではない。「スロートラベル」「自然回帰」「ワーケーション」などの新たな旅行スタイルが登場し、新形態の旅行ブームが流行しはじめ、全く新しいビジネスチャンスをもたらしている。企業はこのブームが再び起こる前に何を準備すべきか? 現状と未来についての見解と提案をする。
新型コロナウイルスの感染症は、観光業にとって前例のない大恐慌をもたらし、多くの人々が「海外に行きたい」という思いを2年以上つのらせた結果、「リベンジ」旅行や買い物が、ポストコロナ時代の姿となった。
そして「鎖国」「ロックダウン」「隔離」「遠距離」などの過去には異常とされてきた様式が、今ではほとんどの人にとっての日常となった。2年が経過した今も、旅行客は家に閉じ込められ、環境と心身の状態の変化と共に、旅行への欲求は最高潮に達している。
多くの人は、新型コロナウイルスが世界を元の姿には戻せないと思っているが、そうではない。「スロートラベル」「自然回帰」「ワーケーション」などの新たな旅行スタイルが登場し、新形態の旅行ブームが流行し始め、全くの新しいビジネスチャンスをもたらしている。企業はこのブームが再び起こる前に何を準備するべきなのか?
観光関連企業を顧客にITソリューションを提供しているAmadeusの統計によると、世界中の回答者のうち77%が、2022年には旅行に行きたいと回答したという。Booking.comの統計によると、42%の人が今後はより多くの旅行がしたいと回答している。信じがたいことに、台湾では72%の人が昇進や、恋人を見つけるチャンスを捨ててでも海外旅行に行きたいと回答し、66%の人は既に今後の海外旅行計画を立てていると回答した。

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トレンドは自然回帰、ビーチ旅行が1位に
国内はおろか家から2年間出られず、まだ室内にいたいのか?答えは明らかだ。Booking.comの世界統計によると、回答者の53%は長期に渡るホームステイにより「外の世界」に触れたいと回答。47%は「非」観光地(有名ではない観光地)に旅行したいと答え、34%はビーチが必須条件だと答えた。
この統計では、「海外旅行」「自然回帰旅行」の割合が著しく増加し、自然景観に関する検索ワードも増加傾向にある。ハイキング(94%)、きれいな空気(50%)、大自然(44%)とリラックスした旅(33%)等を含み、これらの数字は観光客が新たな自然スポットを求めていることを表している。
台湾の観光客の49%は、今後は比較的人気のない場所を選んで旅行する予定だ。また、21%の人々はのんびりしたビーチ旅行やスパ旅行が再開したら最初に選びたいと回答している。
遠出より近場——旅行先として近隣国を選ぶ
シン・メディアが2021年に“台湾人が楽しみにしている旅行先”について調査したところ、台湾人観光客に最も人気のある旅行先は引き続き日本(43%)で、次いでタイ、韓国、ベトナム、マレーシアとなっている。台湾人が望んでいる旅行先は依然として身近なアジア諸国であることが分かった。1つ目の理由は便利で安く、慣れているからである。2つ目に、何か非常事態が起こった時、遠ければ遠いほどリスクがあるため、今後数年は近隣諸国を旅行先に選ぶ人が多くなる傾向にある。