注目ポイント
新型コロナウイルスのワクチンの予防効果は、2回接種していても時間の経過とともに薄れていく上に、変異株の脅威にさらされるリスクも上がる。そこで3回目のワクチン接種をすることで、さらに高い予防効果を発揮することが出来るのだ。3回目接種をするか否かの判断基準として、自分自身の感染リスク、重症化リスク(基礎疾患の有無等)、副反応への耐性度、ワクチン接種に適する状況(ワクチン成分へのアレルギー等)であるか、何かあった際に信頼できるかかりつけ医がいるかどうか等があげられる。
●3回目ワクチンの種類:モデルナ製・ファイザー製・ジョンソン&ジョンソン製の中から選択
●接種推奨対象者:50歳以上の人、または18歳以上で介護施設に入居していて接種が推奨される人
●接種可能対象者:18歳以降の接種可能とされる人
●2回目接種からの間隔;最低6か月
イギリス現行政策
●3回目ワクチンの種類:モデルナ製・ファイザー製の中から選択
●接種対象者:40歳以上の人、または16歳以上の重症化リスクの高い人、16歳以上の介護施設に入居している人、感染リスクの高い人と同居している人
●2回目接種からの間隔;最低6か月
ワクチンの安全性に関する既存の情報
●モデルナ製3回目ワクチンの副反応:全体的な副反応の発生率は2回目接種時と同等。副反応を局所と全身とで分けた場合、3回目接種時の局所反応は2回目接種時より、わずかに高かった(83.5%→84.7%)ものの、全身反応は2回目接種時より低く(81.3%→79.0%)なった。
●ファイザー製3回目ワクチンの副反応:全体的な副反応の発生率は2回目接種時と同等。局部反応はモデルナ同様2回目接種時より高く(71.7%→74.1%)、全身反応は低く(71.7%→69.2%)なった。
●アストラゼネカ製ワクチン接種後mRNAワクチン(メッセンジャーRNAワクチン)を接種時の副反応:注射箇所の痛み(1~2日程度)、倦怠感、全身の痛み、発熱等。
何(He)医師によると
現在の国際政策によると、3回目のワクチン接種はこの先ウィルスと戦う上でとても大事なものとしている。よって、2回目の接種をまだ完了していない人は、速やかに接種するよう呼び掛けている。
※参考文献
●ワクチンの予防効果減少について
- SARS-CoV-2 vaccine protection and deaths among US veterans during 2021
- Effectiveness of mRNA BNT162b2 COVID-19 vaccine up to 6 months in a large integrated health system in the USA: a retrospective cohort study
- News Covid-19: Protection from two doses of vaccine wanes within six months, data suggest
●3回目のワクチン接種効果について
- Effectiveness of a third dose of the BNT162b2 mRNA COVID-19 vaccine for preventing severe outcomes in Israel: an observational study
- Protection of BNT162b2 Vaccine Booster against Covid-19 in Israel
- Boosting immunity to COVID-19 vaccines
- Effectiveness of BNT162b2 (Comirnaty, PfizerBioNTech) COVID-19 booster vaccine against COVID-19 related symptoms in England: test negative case-control study
●カナダの現行政策 COVID-19 Vaccine Third Dose Recommendations
●アメリカの現行政策 COVID-19 Vaccine Booster Shots
●イギリスの現行政策 Coronavirus (COVID-19) booster vaccine
●ワクチンの安全性に関する既存の情報
- Safety Monitoring of an Additional Dose of COVID-19 Vaccine — United States, August 12–September 19, 2021
- Coronavirus (COVID-19) vaccines side effects and safety
この記事は何忠祐医師の≪かかりつけ医のDr.Eric。美食と健康≫から引用
原文作者:何忠祐醫師
原文責任編集者:蕭汎如
原文校閲者:翁世航
翻訳者:黄群儒
校閱者:TNL JP編集部