注目ポイント
新型コロナウイルスのワクチンの予防効果は、2回接種していても時間の経過とともに薄れていく上に、変異株の脅威にさらされるリスクも上がる。そこで3回目のワクチン接種をすることで、さらに高い予防効果を発揮することが出来るのだ。3回目接種をするか否かの判断基準として、自分自身の感染リスク、重症化リスク(基礎疾患の有無等)、副反応への耐性度、ワクチン接種に適する状況(ワクチン成分へのアレルギー等)であるか、何かあった際に信頼できるかかりつけ医がいるかどうか等があげられる。
台湾の中央流行疫情指揮センター(CECC)は数日前に、3回目のワクチン接種の投与が開始されることを発表し、重症化リスクのある人及び、感染リスクの高い人達を接種の最優先カテゴリーとした。とはいえ、3回目の接種についてまだ疑問や不安を感じている人も多いだろう。何忠祐(He Zhong You)医師は現時点での研究データや各国の政策を基に、いくつかの見解を述べた。
ワクチンの予防効果は時間と共に薄れていく
ワクチンを2回とも接種した場合でも、その効果は時間の経過とともに薄れていくのは前述した通りだ。アメリカの研究によると、接種から6か月後ファイザー製ワクチン(BNT)は86.9%から43.3%、モデルナ製は89.2%から58.0%、ジョンソン&ジョンソン製は86.4%から最大で13.1%にまで、予防効果が薄れていくと発表した。イギリスの別の研究からも、アストラゼネカ製ワクチンが、接種から4か月後には大幅に低下すると指摘した。それと同時に、デルタ変異株に対するワクチンの予防効果も徐々に薄れていくことが明らかになった。研究データによると接種から4か月後、ファイザー製では93%から53%に低下し、その結果ブレイクスルー感染や、ウイルス感染の急増化を引き起こすとした。
3回目のワクチン接種でより高い予防効果を発揮
イスラエル、イギリス、アメリカでのファイザー製の3回目接種に関する研究では、どの国でも3回目の接種によって、より高い予防効果が発揮されることが分かり、重症化リスクは92%、入院リスクでは95%、及び死亡リスクにおいても81%減少する高い数値が出た。したがって、国際社会では高齢者や重症化リスクの高い人、感染リスクの高い人達に3回目の接種を勧めることで、予防効果をさらに高め、長く持続させることを期待している。
今年11月29日発表の台湾政策
(3回目のワクチン接種に関して)
●接種推奨対象者:65歳以上の人、介護・高齢者施設の入所者と従業員、医療従事者、防疫作業従事者、感染リスクの高い最前線現場での従事者、重症化リスクの高い人(基礎疾患のある人)
●接種可能対象者:18歳以上の医師から接種を勧められた人
●2回目接種からの間隔:最低6か月
諸外国の政策との比較
カナダ現行政策
●3回目ワクチンの種類:モデルナ製・ファイザー製の中から選択
●接種対象者:18歳以上の人
●2回目接種からの間隔:最低6か月
●前2回をアストラゼネカ社で接種した人:アレルギー反応がない場合、3回目接種についてはモデルナ製及びファイザー製を推奨。アレルギー反応がある場合についてのみ、アストラゼネカ製を再度接種する。