2021-12-15 調査データ

コロナ禍の現状に対する実感調査

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注目ポイント

ワクチン2回接種済みの割合が7割近く1にまで達し、各種感染対策も徐々に徹底し始めた9月上旬から全国の感染者数は急減し2、9月30日には全都道府県で緊急事態宣言が解除された。しかしイベントや飲食業など日常生活における制限の要請はその後も続き、結局、自粛制限や飲酒に関する制限などが緩和されたのは、この調査が行われた数週間後の10月25日以降3になる。ただ、感染者数の急速な減少により、国民の間に多少なりとも明るい兆候が見え始めたことは確かである。このようなコロナ禍の状況のもと、現状に対する様々な実感を洞察するために本調査が行われた。

 

デフレからインフレに転じ、購買意欲がマイナスからプラスに転じる要因として、「成長と分配」政策の成功とコロナ収束とどちらが先かわからないが、この「今後1か月の支出予算」の調査結果が減少予想にあるのはコロナだけが原因ではないと考えられる。

消費予算の予想をカテゴリー別にみると、キッチン用品、掃除、トイレ用品など、日常生活において必需品である家庭用品のみ、16~29歳では予算削減が3%に対して予算増加は9%、30~39歳では削減8%に対して増加12%、40~49歳では削減5%に対して増加7%、50~60歳では削減5%に対して増加10%となっており、全世代で増加を想定している人が減少を想定している人を上回った。

 

アルコール飲料とパッケージ食品は逆に、僅差ではあるが、全世代で削減予想の方が増加予想を上回っている。しかしその差はだんだん縮まってきており、コロナ禍での消費動向は大きな変化は見られない。

関心のある投資先・年代別調査

今回は年代別にどのような投資先に興味があるか調査した。最も多かったのがETFを含む株式投資で26%、続いて投資信託に興味があると答えた人が、18%、その他、外資、債券、保険などという順になっており、株式(含ETF)、投資信託、外資、債券、不動産、先物取引の多岐に亘る分野で30歳代が多世代よりも多くの人が関心を持っていることがわかる。

株式投資に関心がある人の中では、短期売買より長期投資に興味がある人の方が多い。30~39歳で長期投資26%に対して短期売買は8%、40~49歳では長期投資27%に対して短期売買は7%となっている。これは、多くの人が将来的な資産形成を目的として株式投資をしていることが背景にあると思われる。

 

また、株式投資において損失が出た場合、どの程度まで耐えられるかを調査したところ、平均は29.9%、年代別に見ると、20歳代で27.8%、30歳代37%、40歳代27.9%、50歳~60歳で26.8%となっており、特に30歳代のリスク許容度が最も多くなっている。

コロナ禍の現況に対する実感調査

調査対象者:16歳~60歳の日本在住インターネット利用者

調査方法:インターネットによる調査

調査期間:2021年10月1日~10月5日

回答数:1097人

執筆: 橋本行平

 

 

 

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