注目ポイント
コロナ感染対策の一環として、世代を問わずECサイトでの商品購買が日常化している。本調査では、EC利用頻度、半年以内でのEC購買行動、ECサイト選びのポイント、モバイル決済状況についての調査結果をもとに、コロナ禍における日本国民のEC利用動向について分析を加えたレポートである。
1と2のデータ結果から、年齢に関わらずコロナ感染予防対策の一環としてECサイトでのショッピングが日常化しているがわかった。その一方で、すでに感染者が拡大している現在、「自粛疲れ」とともに、「皆もあまり気にせず外出しているから」といった日本人の「同調性バイアス」の強さがネガティブに働き、人流の増加を招いている可能性がある。その結果として、半年前と比較して、ECの利用がやや低下していると思われる。
3.ECサイト選びの決め手は送料
ECサイトでの商品購買では、実店舗と同じ条件かそれ以上を求めている
設問:直近の緊急事態宣言期間中にネットを介してショッピングをするとき、どのような点を重視しますか。(いくつでも)

ネットショッピングを利用する際に最も重視している項目として、約7割(67.4%)の人が送料が安い/送料無料を挙げた。実店舗での購入では発生しない費用なので、多くの人が送料を負担することにためらいがあることが伺える。
重視する項目として2番目に多いのは、合理的な価格となっており、つまりECサイトで商品を購入する際、約半数(48.7%)の人が様々なECサイトを比較検討し、価格面で納得の上、購入商品を選定していると考えられる。
その他、上位項目として挙げられたのは、充実した商品ラインナップが3割(30.3%)、迅速な配達が3割弱(25.3%)、万全なセキュリティー対策2割(22.4%)となった。
3の調査結果、ECサイトの選択で圧倒的に「送料問題」を重視している以外、ラインナップや迅速な配達など、実店舗での購買条件とほぼ同じ条件を求めていることがわかる。
以上より、ECサイト普及のカギには、上の3条件のクリアが必然的であると思われる。この他にも、時間や空間に捉われずPCやスマートフォンから簡単に閲覧できるため、値段の比較が簡単且つ大量にできるようになり、結果としてECサイト業者の厳しい価格競争が今後より一層予想される。
4.モバイル決算の利用経験は半数以上
現状問題の解決次第で、モバイル決済の普及率は大幅にアップできる!
設問:日本でモバイル決済を利用したことがありますか?

モバイル決済の利用経験について調査した結果、半数以上の人はモバイル決済を利用したことがあり、年代別では特に大きな差異はなく、全ての世代を通じて普及率は50%以上となっている。
残り5割の人は、様々な原因でモバイル決済の導入に二の足を踏んでいると思われる。セキュリティ問題はその一つだが、セキュリティの強化に従い、パスワードも強化するなど操作が複雑化してしまいがちである。