2021-12-15 調査データ

コロナ禍におけるEC利用動向についての調査

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注目ポイント

コロナ感染対策の一環として、世代を問わずECサイトでの商品購買が日常化している。本調査では、EC利用頻度、半年以内でのEC購買行動、ECサイト選びのポイント、モバイル決済状況についての調査結果をもとに、コロナ禍における日本国民のEC利用動向について分析を加えたレポートである。

1.緊急事態宣言の発令後、全ての世帯層でECサイトの利用率が大幅に増加

30代を中心に全ての年代を通じて、ECサイトの利用頻度が大幅に増加

設問:緊急事態宣言が発令された後、ネットを介したショッピングの回数に変化がありましたか。

緊急事態宣言の発令後、ECサイトの利用変化について調査をしたところ、全回答者の約3割(29%)が「増加した」と回答した。年齢別に見ると、30~39歳が約3割強(33%)で、増加率が最も多かった。続いて、18~29歳で3割(30%)、40~49歳で3割弱(29%)、50~60歳で2割強(24%)であった。

 

数値の許容範囲から考えると、18~49歳の利用世代で増加率の差が5%以内にとどまっていることから、この世代層を通じてほぼ同様の増加率が得られたと言える。一方50~60歳世代の利用増加率は、先の世代と比べると若干少なめであったが、明らかな底上げ現象を示している。

 

全ての世代を通じてECサイトの利用率が増加した背景には、不要不急の外出等、移動の自粛が呼びかけられている中、新たにネットショッピングを利用したり、利用の頻度が増加した人が増えたことにある。

 

2.半年前に比べて、食料品、家電のECサイト利用率が大幅減少

コロナ禍で全世代でECサイトでのショッピングが日常化

設問:過去6か月以内に「オンラインショッピング」で購入した商品のタイプをお教えください。(いくつでも)

※ 3月調査期間は2021年3月4日~9日

「過去6か月以内にECで購入した商品」について、2021年3月に調査をしたところ、全カテゴリ-において5%~40%の増加が見られた。カテゴリー別にみると、最も増加幅が大きかったは「本、文房具、DVD(39%)」で、次いで「食品、飲料、食事券(38%)」、「衣類、小物(32%)」、「コスメ、ヘルスケア(26%)」、「家電、オーディオ・ビデオ、ゲーム(24%)」、「衣類、靴(マタニティ、キッズ)(21%)」の順となった。

 

一方、半年後の9月に行った調査によると、本年3月の調査と比べ、全カテゴリーのEC利用率は全体的にやや低下していた。最も落ち込んだカテゴリーは「食品、飲料、食事券(29%)」で、8.5ptマイナスの減少幅となった。次に、「家電、オーディオ・ビデオ、ゲーム(20%)」、「カメラ、携帯電話、イヤホンなどのアクセサリー(10%)」がそれぞれ4ptマイナスとなった。

 

1と2のデータ結果から、年齢に関わらずコロナ感染予防対策の一環としてECサイトでのショッピングが日常化しているがわかった。その一方で、すでに感染者が拡大している現在、「自粛疲れ」とともに、「皆もあまり気にせず外出しているから」といった日本人の「同調性バイアス」の強さがネガティブに働き、人流の増加を招いている可能性がある。その結果として、半年前と比較して、ECの利用がやや低下していると思われる。

 

3.ECサイト選びの決め手は送料

ECサイトでの商品購買では、実店舗と同じ条件かそれ以上を求めている

設問:直近の緊急事態宣言期間中にネットを介してショッピングをするとき、どのような点を重視しますか。(いくつでも)

ネットショッピングを利用する際に最も重視している項目として、約7割(67.4%)の人が送料が安い/送料無料を挙げた。実店舗での購入では発生しない費用なので、多くの人が送料を負担することにためらいがあることが伺える。

 

重視する項目として2番目に多いのは、合理的な価格となっており、つまりECサイトで商品を購入する際、約半数(48.7%)の人が様々なECサイトを比較検討し、価格面で納得の上、購入商品を選定していると考えられる。

 

その他、上位項目として挙げられたのは、充実した商品ラインナップが3割(30.3%)、迅速な配達が3割弱(25.3%)、万全なセキュリティー対策2割(22.4%)となった。

 

3の調査結果、ECサイトの選択で圧倒的に「送料問題」を重視している以外、ラインナップや迅速な配達など、実店舗での購買条件とほぼ同じ条件を求めていることがわかる。

 

以上より、ECサイト普及のカギには、上の3条件のクリアが必然的であると思われる。この他にも、時間や空間に捉われずPCやスマートフォンから簡単に閲覧できるため、値段の比較が簡単且つ大量にできるようになり、結果としてECサイト業者の厳しい価格競争が今後より一層予想される。

 

4.モバイル決算の利用経験は半数以上

現状問題の解決次第で、モバイル決済の普及率は大幅にアップできる!

設問:日本でモバイル決済を利用したことがありますか?

モバイル決済の利用経験について調査した結果、半数以上の人はモバイル決済を利用したことがあり、年代別では特に大きな差異はなく、全ての世代を通じて普及率は50%以上となっている。

 

残り5割の人は、様々な原因でモバイル決済の導入に二の足を踏んでいると思われる。セキュリティ問題はその一つだが、セキュリティの強化に従い、パスワードも強化するなど操作が複雑化してしまいがちである。

 

そのため、セキュリティと利便性がどのように確保できるかが、モバイル決済の今後の普及のカギを握っていると考えられる。

 

5.モバイル決済では約8割がクレジットカードを利用

クレジットカード利用は40代に、銀行口座/バーチャル講座は30代が多く利用

設問:モバイル決済アプリの紐づけ方法をお教えください。(いくつでも)

モバイル決済アプリの紐づけ方法では、クレジットカードが8割弱と最も多く、次いで銀行口座/バーチャル口座、デビットカードと続く。クレジットカード利用については、全世代を通じて7割以上が利用している。

 

クレジットカードを紐づけている人は、40歳代で81%と最も高く、また、銀行口座/バーチャル口座を紐づけている人は、30歳代で37%と最も高い。

 

日本では2012年ごろから、決済キャッシュバックや手数料の安さ、入金の速さなどでユーザーを魅了し、モバイル決済(スマホ決済)の導入が急激に増えてきた。

 

最近では、QRコード決済や電子マネー決済など新しい決済方法が導入されるとともに、消費者の決済の選択幅も広がりつつある。今後は、リスクやセキュリティ部分を改善することが、モバイル決済普及のカギと考えられる。

 

調査名称:コロナ禍におけるEC利用動向についての調査

調査対象者:18 ~ 60 歳の日本国民

調査地域:全国

調査時期:2021 年 9 月 3 日~ 9 月 6 日(4日間)

サンプル数:890人

著者:庄司恵子