注目ポイント
コロナ感染対策の一環として、世代を問わずECサイトでの商品購買が日常化している。本調査では、EC利用頻度、半年以内でのEC購買行動、ECサイト選びのポイント、モバイル決済状況についての調査結果をもとに、コロナ禍における日本国民のEC利用動向について分析を加えたレポートである。
1.緊急事態宣言の発令後、全ての世帯層でECサイトの利用率が大幅に増加
30代を中心に全ての年代を通じて、ECサイトの利用頻度が大幅に増加
設問:緊急事態宣言が発令された後、ネットを介したショッピングの回数に変化がありましたか。

緊急事態宣言の発令後、ECサイトの利用変化について調査をしたところ、全回答者の約3割(29%)が「増加した」と回答した。年齢別に見ると、30~39歳が約3割強(33%)で、増加率が最も多かった。続いて、18~29歳で3割(30%)、40~49歳で3割弱(29%)、50~60歳で2割強(24%)であった。
数値の許容範囲から考えると、18~49歳の利用世代で増加率の差が5%以内にとどまっていることから、この世代層を通じてほぼ同様の増加率が得られたと言える。一方50~60歳世代の利用増加率は、先の世代と比べると若干少なめであったが、明らかな底上げ現象を示している。
全ての世代を通じてECサイトの利用率が増加した背景には、不要不急の外出等、移動の自粛が呼びかけられている中、新たにネットショッピングを利用したり、利用の頻度が増加した人が増えたことにある。
2.半年前に比べて、食料品、家電のECサイト利用率が大幅減少
コロナ禍で全世代でECサイトでのショッピングが日常化
設問:過去6か月以内に「オンラインショッピング」で購入した商品のタイプをお教えください。(いくつでも)
※ 3月調査期間は2021年3月4日~9日

「過去6か月以内にECで購入した商品」について、2021年3月に調査をしたところ、全カテゴリ-において5%~40%の増加が見られた。カテゴリー別にみると、最も増加幅が大きかったは「本、文房具、DVD(39%)」で、次いで「食品、飲料、食事券(38%)」、「衣類、小物(32%)」、「コスメ、ヘルスケア(26%)」、「家電、オーディオ・ビデオ、ゲーム(24%)」、「衣類、靴(マタニティ、キッズ)(21%)」の順となった。
一方、半年後の9月に行った調査によると、本年3月の調査と比べ、全カテゴリーのEC利用率は全体的にやや低下していた。最も落ち込んだカテゴリーは「食品、飲料、食事券(29%)」で、8.5ptマイナスの減少幅となった。次に、「家電、オーディオ・ビデオ、ゲーム(20%)」、「カメラ、携帯電話、イヤホンなどのアクセサリー(10%)」がそれぞれ4ptマイナスとなった。