2021-12-15 調査データ

コロナ禍の現状に対する実感及びワクチンに対する意識調査

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注目ポイント

8月下旬に第5波のピークを迎え、全国の感染者数が2万5千人近くまで増加したが今回の調査が始まった9月3日には1万6千人に、そして調査最終日の9月6日には8千人台まで半減した。しかし緊急事態宣言解除の検討はまだ始まっておらず、第5波がこのまま収束に向かうのか、それとも感染者数などの減少は一時的なもので、またぶり返すのか、国民に大きな不安が残る中、現況に対する実感、また、コロナワクチンに対する意識について調査した。今回はコロナワクチン未接種の人の理由も調査した。

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日本国民の現況に対する実感

去年初頭に始まったコロナ禍だが、第4波までは感染者数が1万人を超えることはなかったものの、一旦減少してはまた感染が拡大するの繰り返しで、様々な自粛生活も相まって国民はかなり閉塞感を感じていた2

 

過去一年間の実感調査でも5月調査から今回の9月調査まで「好転している」と感じている人は1~2%、「悪化している」と感じている人は7割前後もあり、悲観的な見方が大勢を占めていた。

 

7月下旬から感染が急拡大、第5波が始まり、8月13日には初めて全国の感染者数が2万人を超えた。8月2日には緊急事態線がふたたび発出された3。このことから、今後一年間の日本の状況に対しては非常に悲観的に思う人が増加すると予想されたが、今回の調査が始まったとほぼ同時に感染者数が減り始め、9月3日から6日までのたった3日間で約1万6千人から8千人台まで減った。

 

従来株のコロナウィルスに対してはワクチン接種を済ませた割合が増えつつあるが、新たにデルタ株など、新種の変異型ウィルスにワクチンがどれほど効果があるのかいまだに不安に感じている人が多いので楽観視する人は少ないだろうと思われた。

 

しかし9月に入って感染者数が減少し始め、それとともにワクチンも安定的に普及してきた結果、今回の調査で悪化すると答えた人は前回の55.0%から51.3%に減少、一方好転すると答えた人は前回の9.3%から10.1%と増加に転じた。

コロナワクチン接種に対する意識

ワクチン接種に対して期待している人の割合はこの調査を始めた今年5月の40.1%から今回調査の57.8%へと2割近くも増えた。これは自分の周りの人がどんどんワクチンを打ち始め、尚且つ、接種の手続きも方法も徐々に整い、ワクチンを接種しやすくなってきたことが大きな原因の一つと考えられる。

 

それに加えてPCR検査陰性証明とワクチン接種済み証明があれば飲食や旅行などで優遇されるのではないかという議論も始まっている。もっともこの「ワクチンパスポート」の取り扱いに関しては不公平感や差別など色々問題があることから実現には慎重であるべきという意見も多い。

 

男女別にみると女性62.3%、男性53.4%というふうに女性の方が男性よりも10ポイント近く多くなっている。これは健康に対する意識が男女間で違うのが原因ではないかと思われる。

 

年齢別にみると、年齢が上がるにつれ期待感が高まる傾向に変わりはないが、18歳~29歳の若年層においても8月の39.8%から今回の47.7%と、期待感はやはり高まっているのが見て取れる。50歳~60歳もワクチン接種に関する期待感が前回の64.7%から69.6%に増えている。

約半数の人はワクチン接種済み

このアンケート調査の結果、すでにワクチンを接種した人の割合は50.6%で、半数を超えたことがわかた。ここでもワクチンへの期待感に対する意識調査同様、男性47%、女性54%で、男性より女性の方がワクチンを済ませた割合が高く、ワクチンに対して積極的なことがわかる。

 

年齢別にみると、政府や自治体、接種会場などの方針通り、医療従事者や疾患のある高齢者、それから年齢の高い順というふうに優先順位がほぼ決まっており、今回の調査結果もその順番通りに50~60歳が最も高く66%、40~49歳が50%、30~39歳が44%、18~29歳が39%となっている。これは順当な結果と言える。

 

なお、ワクチン接種を済ませた人は今回のアンケート調査後もどんどん増え、9月30日時点で1回接種が全人口の70.4%、2回接種が59.8%で、65歳以上の高齢者に限定すると1回接種も2回接種も約9割がすでに接種済みである4

 

Ø  ワクチン未接種の理由についても調べてみた。男性も女性も一番多いのが「順番待ち」で、ともに50%である。東京都は8月27日から渋谷などに予約不要の接種会場を設営5したが、深夜から列に並んだり、長蛇の列ができたりして、順番待ちの若者の接種は結局うまく解決できなかった。

 

この「順番待ち」という理由はしばらくの間主原因として続くだろうと予測される。次に多い理由が「副反応」。男性35%、女性38%が副反応を心配している。また最近ネットやメディアなどで言われているブレークスルー(ワクチンを接種してもコロナに感染する事)を疑っている人も男性で19%、女性で16%いる。

 

接種そのものが必要ないと考える人は男性9%、女性7%、他のメーカーのワクチンを待っている人が男性5%、女性6%となっている。またこの調査項目には含まれていないが、健康上の理由或いは宗教上の理由などでワクチンを打たない人の数も一定数いると思われる。

 

コロナ禍の現況に対する実感及びワクチン接種意識と支出予算に関する調査

調査目的:日本の一般消費者のコロナ禍の現況に対する実感及びワクチン接種に関する調査

調査対象:18歳~60歳の日本在住インターネット利用者

調査方法:インターネットによる調査

調査時期:2021年9月3日~9月6日(5日間)

回答数:890人

執筆:庄司恵子

 

 

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