2021-12-29 調査データ

コロナ禍の現状に対する実感及びワクチン、支出に関する意識調査

© Photo Credit:ShutterStock / 達志影像

注目ポイント

今回の調査期間中に、特に深刻なクラスターが発生することもなく東京五輪の閉会式(8月8日)を迎えたものの、8月2日に緊急事態宣言が6都府県に拡大、8月5日には東京の新規感染者が5000人を超え1、感染者数も増加の一途をたどっている。先行き不透明な環境の中、日本国民の現況に対する実感、また、コロナワクチンに対する意識及び支出予算の変化について調査した。

日本国民の現況に対する実感

日本の状況についての実感には、毎日ネットやテレビなどで発表される感染者数、重症者数の変化、及び緊急事態宣言の発出・解除が非常に大きく影響していると思われる。

 

過去1年間の日本の状況は好転していると答えた人は少なく、1.3%から2.7%までの幅で推移しており、一方悪化していると答えた人は7割近くいて、イベントや営業の自粛、巣ごもりや在宅勤務など、初めて経験する慣れないことへのストレス、不安の連続がこの結果をもたらしたのではないか。

 

これに対して今後一年間の実感を調査したところ、好転するだろうと実感している人が4月調査で8.5%、6月下旬に緊急事態宣言が解除された直後の7月調査では13.0%まで増加し、悪化すると感じている人も同じ7月調査では最少の47.8%まで減少した。

 

しかし東京都の感染者数が5千人を超え、緊急事態宣言も拡大された8月調査では悪化していると実感した人は55.0%に増え、再び半数を超えた。

 

また、今回行われた8月調査を年齢別にみてみると、過去一年も今後一年も年齢が上がるにつれ環境が悪化していると悲観的に感じている人が多くなっている。

 

16歳から29歳の若年層では過去一年間の実感で57.2%となっており、前月比で6.1ポイント増えている。若者のワクチン接種がなかなか進まず、不安を感じていることが原因と考えられる。40歳~49歳と50歳~60歳ではそれぞれ58.1%、62.7%というふうに6割前後の人が今後1年間日本の状況は悪化すると感じていることがわかる。

コロナワクチン接種に対する意識

ワクチン接種に対する意識では、今年4月の調査時から毎月連続で積極的にとらえている人が増加している。4月調査では35.6%だったのに対して、今回の調査では54.1%となり、半数を超えた。

 

この期待感は全世代でも5~10ポイント増加している。ワクチン接種の証明書(いわゆるワクチンパスポート)があればある程度の行動制限が緩和されるという話も出始めており、それに加えてお盆、夏休み、東京五輪などをきっかけにワクチン接種に対する期待が一気に高まったのではないかと思われる。この期待感は男女間ではほとんど差はみられない。

 

年齢別にみると、重症化しやすい高齢者のワクチン接種への期待感が相変わらず一番高く50歳~60歳で64.7%となっており、16歳~29歳の39.8%と比較して1.5倍も多い。またデルタ株など変異株への不安や長引く自粛生活のストレスもワクチンに期待する気持ちを後押ししているのではないか。

今後1か月の支出予算の変化について

支出予算の増加を見込んでいる人は全世代で8.7%、年齢別でも7.2%~9.7%の間で上下しており、逆に減少を見込んでいるのは全体で33.5%、コロナ禍での消費は依然として多くの人が悲観的な見方をしていることがわかる。

 

6月下旬から第5波に突入し、感染者数が急激に増加2、期待された東京五輪によるインバウンドの増加も無観客試合実施のため景気は好転せず、緊急事態宣言で県外への旅行や大型イベントの自粛など、消費が増える要素はほとんどないと言っていい。

 

支出減少を予想している30歳~39歳の年代では子どもを中心とした家族でのアウトドアレジャーが期待できないことから37.7%と最も多く、最も少ない16歳~29歳でも30.0%の人が減少を予想している。

商品カテゴリー別支出予算の変化

昨年初め、新型コロナが日本で広がり始めてから1年半以上、様々な分野で自粛が要請され、国民は経済生活、文化生活、日常生活で不自由と不安を強いられてきた。

 

家計から支出される予算も本当に必要なことと世間的に許されることにのみ使われてきたように見える。昨年政府によって推奨されたGo To トラベルやGo To Eat などの各種Go To イベントもそのほとんどが昨年のうちに中断され3、それ以来旅行や外食に対する消費は急速に冷え込んだ。

 

今回の調査でも、前回同様、減少予想のトップツーは旅行が38.7%、外食/娯楽が37.6%となっている。またアパレル・ファッションも28.1%、ブランド品も27.4%と3割近い人が支出の減少を予想している。電子製品16.8%、家電15.2%と減少予想になっているのは、巣ごもりが長期化する中でもうすでに大部分の人が必要品の購入済みと考えられる。

 

家庭用品は増加予想13.2%、減少予想6.4%で、増加予想から減少予想を引いて差がプラスになるのは家庭用品のみで、これは相変わらず巣ごもり需要による消費が一定程度見込まれることが理由と思われる。アルコール飲料が11.0%、健康食品が10.8%で、減少を予想している人の方が多いものの、消費増加を予想している人もある一定数見受けられる。

コロナ禍の現況に対する実感及びワクチン接種意識と支出予算に関する調査

調査対象:16歳~60歳の日本在住インターネット利用者

調査方法:インターネットによる調査

調査時期:2021 年8月1日~8月9日(5日間)

回答数:1097人

執筆: 橋本行平