注目ポイント
コロナ禍での資産形成のあり方
40~49歳
「投資よりも貯蓄が多い」が55.3%で最も多く、続いて「貯蓄も投資もしない」が28.0%、「投資のほうが貯蓄よりも多い」が11.6%、「投資と貯蓄が同額」が5.1%となった。40~49歳の「投資よりも貯蓄が多い」は、全体より1.7%高く、「貯蓄も投資もしない」は、全体より4.2%低かった。「投資のほうが貯蓄よりも多い」は、全体より2.1%高く、「投資と貯蓄が同額」も、0.4%高かった。
50~60歳
「投資よりも貯蓄が多い」が51.4%で最も多く、続いて「貯蓄も投資もしない」が34.0%、「投資のほうが貯蓄よりも多い」が9.9%、「投資と貯蓄が同額」が4.7%となった。50~60歳の「投資よりも貯蓄が多い」は、全体より2.2%低く、「貯蓄も投資もしない」は、全体より1.8%高かった。「投資のほうが貯蓄よりも多い」は、全体より0.4%高く、「投資と貯蓄が同額」は変わらなかった。
2.分析&所見
全回答者で「投資よりも貯蓄が多い」と回答した人が過半数を占めており、リスクを取らず、安全確実な資産形成を志向する傾向にある。一方で、全体の約3割は、貯蓄も投資もしていなかった。
性別ごとでは、女性の方が男性よりもやや安定志向で、6割近くの女性が投資よりも貯蓄を好んでいる。また、投資に積極的な女性の割合は、男性のほほ半数の約6%と非常に少数派となっている。
年代別に見ると、「貯蓄も投資もしていない」と回答している割合が18~29歳の世代で約4割(38%)と若干高い傾向にある。これは、2019年の金融広報中央委員会の調査で20代単身者の約5割(45.2%)が貯蓄していなかったのに比べると、コロナ禍で若い世代の貯蓄意識が高まったと言える。
この10年間、無人店舗やスマートフォンアプリなどで気軽にお金が借りられるようになり、心理的にも制度的にも借り入れのハードルが下がったが、コロナ禍で貯金の有無が生活を変える結果となり、若い人たちの警鐘を鳴らしたと考えられる。
30~49歳は、「投資よりも貯蓄が多い」の回答率が高く、「貯蓄も投資もしていない」の割合が最も低かった。この世代は就学時期の子供がいるファミリー世代で、住宅ローンを借りていたり、子どもの学費納入があったりするため、貯蓄意識が高いと言える。
50~60歳になると子供も独立し、家計の負担も減るためか、「投資よりも貯蓄が多い」が低くなり、「貯蓄も投資もしていない」の割合が34.0%と高くなるが、「投資のほうが貯蓄よりも多い」が9.9%と高めなので、貯蓄を投資に回していることになる。