2021-12-15 調査データ

ワクチン接種意欲と消費動向についての調査

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注目ポイント

年齢による意欲や動向の違いに潜む理由

コロナワクチン接種についての意欲調査

若年層ほど警戒し、高年層ほど意欲的

コロナワクチンの接種に対する意識は、年代によって大きな相違が見られた。50-60歳では、半数以上の人がワクチン接種に前向きだが、年齢が下がるにつれて肯定派の割合が減少し、18-29歳では、肯定派はおよそ4人に1人しかいなかった。

 

また、40%弱の人がワクチン接種に対する自分の意思を確定できておらず、特に18-29歳の青年層では約半数を占めた。

全体のワクチン接種意欲

半分以上の人がコロナワクチン接種に懐疑的

ワクチン接種に対する意欲調査で、意見の定まらない回答である「どちらともいえない(37.9%)」が1位となり、全体の4割近くを占めた。続いて、肯定派の「積極的(20.2%)」、「やや積極的(20.0%)」は合計で約4割となった。消極派の「消極的(13.5%)」、「やや消極的(8.5%)」は合計で2割超過となった。

 

即ち、肯定派は全体の約4割に過ぎず、半分以上の人がワクチン接種に懐疑的或いは消極的意識を持っていることがわかった。

 

年齢ごとのワクチン接種意欲

若い人ほど懐疑的、年を取るほど肯定的

18~29歳

ワクチン接種に対して意見の定まらない回答である「どちらともいえない(48.2%)」が全体を10.3%上回った。続いて、肯定派の「やや積極的(16.1%)」、「積極的(10.0%)」は、合計で26.1%となり、全体を14.1%下回った。消極派の「消極的(14.7%)」、「やや消極的(11.0%)」は、合計で25.7%となり、全体を3.7%上回った。

 

30~39歳

ワクチン接種に対して意見の定まらない回答である「どちらともいえない(42.3%)」が全体を4.4%上回る結果となった。続いて、肯定派の「やや積極的(19.1%)」、「積極的(15.8%)」が、合計で34.9%となり、全体を5.3%下回った。消極派の「消極的(14.4%)」、「やや消極的(8.4%)」は、合計で22.8%となり、全体を0.8%上回った。

 

40~49歳

ワクチン接種に対して意見の定まらない回答である「どちらともいえない(34.3%)」が全体を3.6%下回った。続いて、肯定派の「積極的(23.3%)」、「やや積極的(20.3%)」が、合計で43.6%となり、全体を3.4%上回った。消極派の「消極的(12.9%)」、「やや消極的(9.2%)」は、合計で22.1%となり、全体を0.1%上回った。

 

50~60歳

ワクチン接種に対して意見の定まらない回答である「どちらともいえない(29.4%)」が全体を8.5%下回った。続いて、肯定派「積極的(28.8%)」、「やや積極的(23.6%)」が、合計で52.4%となり、全体を12.2%上回った。消極派の「消極的(12.5%)」、「やや消極的(5.8%)」は、合計で18.3%となり、全体を3.7%下回った。

 

まとめ

「消極的」、「やや消極的」の回答については、18~29歳と30~39歳の順に高い数値を示し、年齢が増すにつれ、数値が低下している。全体の約2割の人がワクチン接種を躊躇している。意見が定まらない人を入れれば、約半数の人がワクチン接種を躊躇していると言える。

 

即ち、若い人ほどワクチン接種を躊躇し、年齢が高くなるにつれ意欲的になる。これは、高齢者や基礎疾患のある人にとっては、ワクチン接種後の副作用リスクよりも、コロナウィルス感染後の重症化リスクの方が大きいためと考えられる。

 

若い人はコロナウィルス感染後の重症化リスクが少ないとの認識が広まっているため、ワクチン接種に対する誘因動機が不十分であるかと考えられる。

 

最近の報道によれば、新規感染者の過半数は20~30代で、高齢者ほど減少傾向にあるとのこと。これは、社会で活動的な若年者の方が、感染のリスクが高くなるためで、今後は若年層から高年層への感染拡大が懸念されている。

 

ワクチン接種後の副作用リスクは、個人的責任ではあるとは言え、感染が拡大すれば、人類の危機にもなり兼ねない。最終的には、国家的、地球的規模の責任に発展するであろう。

 

今後は、低リスクワクチンの開発、ワクチン接種情報のさらなる公開、コロナウィルスに関する正確な情報の呼びかけなど、迅速な接種体制の構築が喫緊の課題である。

 

コロナ禍の消費動向調査

年齢ごとに異なる消費動向

2021年3月の調査は、3月4日から3月7日間で、2回目の緊急事態宣言の解除日(3月21日)以前に実施された。2回目の緊急事態宣言解除日から約1か月後の4月25日に3回目の緊急事態宣言を開始した。2021年5月の調査は、4月30日から5月5日間で、3回目の緊急事態宣言の開始後まもなく実施された。

 

3回目の緊急事態宣言は、変異株が広まった大阪、兵庫、京都の関西3府県と新規感染者数が増加傾向にあった東京都を対象に、2021年4月25日から開始した。

 

1都3府県での緊急事態宣言を受け、今年3月に行われた消費動向調査では、昨年同期に比べおよそ7%の増加が見込まれる結果となったが、本年5月の調査では、昨年とほぼ同額と消費の停滞が予想され、2か月前よりも不安視している。この昨年同時期比の消費支出の変化予想は、全年代を通じてほぼ同様の結果であり、コロナ禍の状況を2か月前よりも不安視しているといえる

全体の消費動向

18~29歳

本年3月の消費動向調査では、昨年同期に比べ7.5%の消費増加が見込まれたのに対し、本年5月の調査では、昨年に比べ0.9%の消費増加が見込まれる結果となった。本年3月の消費意欲は全体より0.6%高く、本年5月の消費意欲は全体より0.2%低くなった。

 

30~39歳

本年3月の消費動向調査では、昨年同期に比べ7.2%の消費増加が見込まれたのに対し、本年5月の調査では、昨年に比べ3.3%の消費増加が見込まれる結果となった。本年3月消費意欲は全体より0.3%高く、本年5月の消費意欲は全体より2.2%高くなった。

 

40~49歳

本年3月の消費動向調査では、昨年同期に比べ8.4%の消費増加が見込まれたのに対し、本5月の調査では、昨年に比べ0.1%の消費増加が見込まれる結果となった。本年3月消費意欲は全体より1.5%高く、本年5月の消費意欲は全体より1.0%低くなった。

 

50~60歳

本年3月の消費動向調査では、昨年同期に比べ4.6%の消費増加が見込まれた結果なのに対し、本5月の調査では、昨年に比べ0.5%の消費増加が見込まれる結果となった。本年3月消費意欲は全体より2.3%低く、本年5月の消費意欲は全体より0.6%低くなった。

 

まとめ

本年3月の消費動向調査では、40~49歳(⁺8.4%)が最も意欲的で、続いて18~29歳(⁺7.5%)、30~39歳(⁺7.2%)、50~60歳(⁺4.6%)の順となった。本年5月の調査では、30~39歳(⁺3.3%)が最も意欲的で、続いて18~29歳(⁺0.9%)、50~60歳(⁺0.5%)、40~49歳(⁺0.1%)の順となった。

 

3月と5月の調査結果で、40~49歳の消費意欲に大きな落差が見られた。これは、2回目の緊急事態宣言の解除後、パック旅行や娯楽などの消費反動として、落差が大きくなったためと考えられる。40~49歳は、就学時期の子供を持つ家庭が多いため、家族サービスとしての消費意欲がどの年齢層よりも高いが、当然ながら、その反動も大きくなることが予想される。

 

商品カテゴリー別の消費動向

3月調査と同様、ほとんどの商品カテゴリーで今後3か月間の購入予算は減少すると見込んでいる。家庭用品やパッケージ食品といった生活必需品では、今後3か月間での支出の横ばいから微増が予想されているが、政府から旅行の自粛や休業、営業時間短縮の要請が続いているためか、旅行や外食/娯楽といったカテゴリーでの支出減少の拡大がみられる。

旅行

本年3月の調査では、昨年に比べ17.8%低くなったが、本年5月の調査では24.5%も低くなり、3月より6.7%減少した。これは、家計の支出で最も影響を受けやすい産業は、外食、交通、教養娯楽サービスの3項目であるため、それが浮き彫りになったためと考えられる。

 

ブランド品(腕時計等やバッグ等)

本年3月の調査では、昨年に比べ20.9%低くなったが、本年5月の調査では25.7%も低くなり、3月より4.8%減少した。これは、巣ごもり需要で、アパレル用品やブランド品などがダメージを受けやすかったためと考えられる。

 

アルコール飲料

本年3月の調査では、昨年に比べ7.8%低くなった。本年5月の調査では7.1%低くなり、3月より0.7%増加した。これは、2回目の緊急事態宣言が酒類提供の飲食店に時短営業を要請していたための反動と見られる。

 

スポーツ用品

本年3月の調査では、昨年に比べ15.7%低くなったが、本年5月の調査では19.2%低くなり、3月より3.5%増加した。これは、3回目の緊急事態制限を受け、当然のことながら、野外での活動を控えたためと見られる。

 

パッケージ食品

本年3月の調査では、昨年に比べ1.97%高くなった。本年5月の調査では、0.9%高くなり、3月より1.07%減少した。パッケージ食品はコロナ禍であってもプラス成長であるが、テレワークやオンライン授業などの増加により、在宅時間が増えるとともに、料理を作る機会も増えたためと考えられる。

 

家庭用品

本年3月の調査では、昨年に比べ7.6%高くなった。本5月の調査では、4.9%高くなり、3月より2.7%減少した。家庭用マスクやウェットティッシュなどの衛生用品を含む家庭用品は、かつてないほどの急激な成長を見せていたが、使い捨てマスクに代わって、布マスクなどが普及してきたため、安定的な成長に転換したと考えられる。

 

スキンケア・コスメ用品

本年3月の調査では、昨年に比べ2.6%低くなった。本5月の調査では、7.6%低くなり、3月より5.0%減少した。これは、巣ごもり需要でコスメ用品の需要が停滞し、販売が落ち込んだものと考えられる。

 

電子製品

本年3月の調査では、昨年に比べ2.2%低くなった。本年5月の調査では、7.6%低くなり、3月より5.4%減少した。テレワークやオンライン授業などが増える中、情報家電の需要性が高まっていたが、新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛、商業施設の営業時間短縮などが影響を及ぼしたとみられる。

 

外食/娯楽

本年3月の調査では、昨年に比べ7.1%低くなった。本5月の調査では、13.0%低くなり、本3月より5.9%減少した。外食/娯楽消費の落ち込みは、5月の緊急時代宣言の政府の方針で、酒類を提供する飲食店に休業要請が求められたためと考えられる。また外食に代わって、宅配などの中食産業も成長を伸ばしていることもその一因と考えられる。

 

ファッション

本年3月の調査では、昨年に比べ5.5%低くなった。本年5月の調査では、9.5%低くなり、3月より4.0%減少する見込みである。コロナウィルスの流行で、人類に欠かせないはずの「衣食住」のうち、「衣」が最も大きなダメージを受けた。コロナ終息の見通しがつかないようであれば、アパレル産業の生き残り競争は一層激しくなると思われる。

 

健康食品

本年3月の調査では、昨年に比べ3.4%低くなった。本5月の調査では、6.2%低くなり、3月より2.8%減少する見込みである。コロナウィルスの流行で、「免疫力向上」のため、サプリメントなどの健康食品に関心が高まりつつも、3回目の緊急事態宣言で大型商業施設などへの休業要請が加わり、ドラッグストア、薬局・薬店などの販売場所にも影響が及んだと考えられる。

 

家電

本年3月の調査では、昨年に比べ3.2%低くなった。本年5月の調査では、8.6%低くなり、3月より5.4%も減少した。コロナ禍で、健康家電を中心として生活家電に注目が集まっていたが、新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛、商業施設の営業時間短縮などが影響を及ぼしたとみられる。

 

まとめ

2回目の緊急事態宣言が3月21日に解除されたことで、旅行や娯楽などの消費が一時的に回復されたにもかかわらず、約1か月後の4月25日には3日目の緊急事態宣言が開始した。

 

3回目の緊急事態宣言では、政府主導により(1)酒類を提供する飲食店に休業要請、(2)大型商業施設では生活必需品を除いて休業要請、(3)大規模イベントの自粛などの制限が設けられた。

 

そのため、旅行、外食/娯楽、スポーツ用品などの野外イベント用品が大きなダメージを受けた。デパートやショッピングセンターの自粛で、ブランド品、スキンケア・コスメ用品、電子製品、ファッション、健康食品、家電などの販売も落ち込んだ。アルコールに至っては、2回目の緊急事態宣言が酒類提供の飲食店に時短営業を要請していたための反動か、多少の回復が見られた。

 

家庭用品に至っては、昨年に比べ、唯一のプラス成長をしている。パッケージ食品は、わずかではあるが、マイナス成長となっている。これは、コロナ化が長期化するに伴い、在宅時間も増え、料理をする時間が増えたことと、中食産業の台頭などが影響していると思われる。

 

ワクチン接種意欲と消費動向についての調査

調査方法:インターネットリサーチ

調査地域:全国47都道府県

調査対象:18歳から60歳までの男女

調査期間:2021年 4月30日~5月5日

有効回答数:1080サンプル

著者:庄司恵子

 

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