注目ポイント
日本では、(1)医療従事者等を接種順位1位、(2)令和3年度中に65歳以上になる高齢者を接種順位2位としてワクチンの接種が始まっており、コロナウイルス感染症の重症化リスクのある(3)基礎疾患のある人への接種も6月より多くの自治体で優先的に接種が開始されようとしている。今回は、どの年代の人がどの程度積極的にワクチン接種を考えているか、さらに感染者数の増減や緊急事態宣言の発出・解除と個人消費の予想について調査した。
コロナ禍のみならず、不況、恐慌など非常事態の際、最初にカットされるのは腕時計やバッグなどの高級品や旅行のようなぜいたく品であるのは自明の理であり、今回の調査で明らかなようにブランド品は昨年3月との比較で20.9%、カテゴリー別減少予測トップ、旅行が17.8%で2位となっている。
旅行は人流を抑制するために自粛が要請され、ホテルや観光バスなど旅行関連業者への休業要請などもあり、消費が大きく影響された。この2つのカテゴリーは4月下旬に緊急事態宣言が発出した後の5月調査でも同様、それぞれ25.7%、24.5%とワースト2を占めている。
次に消費が減少すると予測されているのはスポーツ用品で、昨年と今年の3月調査では15.7%減少、5月調査では19.2%の減少で、第3位。スポーツは種目によっては大勢が密集したり、密接になったりすることに加えて、スポーツ場所の閉鎖や使用制限が原因でスポーツ用品の購入減少が予測される。
アルコール飲料、及び外食・娯楽も3月調査でそれぞれ7.8%、7.1%の減少予測、この2カテゴリーでは3月調査ではそれほど差がない。一方、外食・娯楽については、営業時間短縮要請の影響で消費減少は去年と今年の5月調査ではその減少予測はさらに13.0%にまで拡大している。
ファッション、スキンケア・コスメは、外出自粛や在宅勤務の影響で必要性が減り、それに伴い消費予想も3月調査でファッションが5.5%、スキンケア・コスメが2.6%の減少、5月調査でさらに拡大し、それぞれ9.5%、7.6%の減少となっている。
電子製品は3月調査で2.2%の減少、5月調査で7.6%の減少となった。スマホやゲーム機、パソコンなど、ステイホーム時に使える電子製品は今後3か月で需要が激増すると見込んだが、実際には昨年初頭に始まったコロナ禍が一年以上続き、必要な人はすでに購入していると思われる。
その他、健康食品と家電も3月調査3%以上、5月調査6~8%とこれもやはり減少が予測されている反面、3月調査も5月調査も消費が増えると予測されているのがパッケージ食品と家庭用品である。パッケージ食品は3月調査では2.0%の微増であったが、5月調査では0.9%減少している。これはやはり4月25日の第3回緊急事態宣言の発出が原因と考えられる。
今後個人消費増加が予想できるのは家庭用品とDIY用品か
カテゴリー別支出では家庭用品のみ3月調査でも5月調査でも連続で消費増加が見込まれている。ステイホームや在宅勤務が推奨され、実際に増えている現状においては、より充実した労働環境や快適な生活を求めてDIYに時間が割ける人が多くなってきたためではないかと思われる。
