2021-12-15 調査データ

ワクチン接種に対する意識及び、コロナ禍における個人消費の変化

© Photo Credit:ShutterStock / 達志影像

注目ポイント

日本では、(1)医療従事者等を接種順位1位、(2)令和3年度中に65歳以上になる高齢者を接種順位2位としてワクチンの接種が始まっており、コロナウイルス感染症の重症化リスクのある(3)基礎疾患のある人への接種も6月より多くの自治体で優先的に接種が開始されようとしている。今回は、どの年代の人がどの程度積極的にワクチン接種を考えているか、さらに感染者数の増減や緊急事態宣言の発出・解除と個人消費の予想について調査した。

 

特記すべきは40‐49歳の予測である。3月の予測では去年よりも今年の3月の方が自分自身の消費が8%以上も増加すると全ての年代の中で最高値を予想。しかしその2か月後、5月の予測では前年度比で個人消費が0.1%しか伸びないと予測しており、こちらはすべての世代の中で最低値となっている。

 

この世代では両極端の結果が出た。職場では実質上の中堅層が多く、家庭では小中学校に通う子供がいる人が多い。感染者数が減ってきたら仕事上の付き合いや接待、子供の進学・進級、大型連休になると一家総出のレジャーなど、支出が増加する要素が目白押しであるのに対して、緊急事態宣言が発出されて自粛ムードが高まると、様々なケースに備えて出費を控える裁量のある世代であることがその背景と考えられる、

2020年3月は第1回緊急事態宣言が発出される直前で、東京の新規感染者は87人 だった。これに対して今年3月21日に第2回緊急事態宣言が解除される直前の東京の新規感染者は342人 であったが、それでも7%前後支出が増加すると見込んだのは、全国的には新規感染者が減少傾向にあったこと、及びワクチン供給開始など、明るい材料が多少見えてきたことが理由としてあげられる。

 

しかし、4月25日に東京、大阪、京都、兵庫に第3回緊急事態宣言が発出され、その後5月に入って全国感染者数が昨年同時期の3~4倍に激増した。そのため、本年5月の調査では、18‐29歳で0.9%、40‐49歳で0.1%、50‐60歳で0.5%と軒並み1%を切っており、全対象者でも1.1%で、今後3か月の支出総額は昨年同時期とほぼ同額と回答、消費の停滞が予想される。

 

3月調査と5月調査の結果、たった2か月で、コロナ禍の状況を不安視している傾向が明らかになった。

© NHK

外出自粛とステイホームで「住」の充実へ加速

カテゴリー別の消費予測調査を見ると、人流抑制、三密回避、営業自粛などコロナ対策の影響でレジャーや高級品の消費が抑えられていることがわかった。またコロナ禍も一年以上続いており、巣ごもりに必要なものはだいたい購入済みで、今後さらに長引くと思われるステイホームや在宅勤務をより充実したものにしようとDIY関連商品及び家庭用品の消費が増加するとの予想が顕著に見て取れる。

 

商品カテゴリー別支出総額の変化

今後3か月の自分自身の消費、つまり支出総額が昨年同時期と比べてどのように変化するかについて、商品カテゴリー別に3月と5月の二回調査した。ほとんどの商品カテゴリーで今後3か月間の消費は減少すると予想。コロナ禍での感染対策や自粛の影響が浮き彫りになった。

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