注目ポイント
熊本県は、日本のカーアイランドとして知られる—―。九州の真ん中に位置し、その豊富な水資源は半導体工場を建設する上で好条件の立地であるのに加え、当地区にある各半導体、自動車企業は、次なる「電気自動車」という次世代主要産業に繋がっていく。
時を同じくして、世界規模の景気後退の中で日本企業は設備投資拡大に対し躊躇(ちゅうちょ)したが、一方で韓国はその危機的状況を逆手に取り、DRAMの生産量をあげるため半導体業界に大胆に投資した。その後、世界が景気回復する頃には、市場シェアの大幅獲得に成功し、韓国のサムスングループはさらにDRAMメーカー分野で発展した。それに伴い、日本の主導権を奪う形になった。

かつて日本でトップを走っていた東芝とNECは、徐々にDRAM事業から撤退し、NAND型フラッシュメモリ開発に力を入れるようになった。半導体業界の上流も徐々にインテルが主導権を握り始めている。韓国のサムスングループは、半導体製造でDRAM、液晶パネルや各携帯会社と垂直統合することで、エレクトロニクス業界での地位を安定させている。
今日に至るまで、ノートパソコン、スマートフォン、通信機器の発展のおかげでTSMCは製造に注力し、半導体ファウンドリ分野で世界市場の50%シェアを獲得することができた。これは半導体ファウンドリリーダーの役割として、高い値であり業界の代表企業として頭角を現した。
「日経中文網」によると、現在、日本の半導体産業はエッジコンピューティング処理などの先進分野においては後れを取っているが、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)等の特定分野では優位性を維持しており、光学材料製造の分野においても主導的な存在といえる。その中でも、信越化学工業やSUMCOは、半導体の基本原料であるシリコンウェハの世界シェア6割近くを占めており、ウェハ、JSRなどにコーティングされたフォトレジスト(感光材料)では市場シェア90%をも占める。

また、日本が得意としている材料科学分野に対し、大きな関心と協力を求めているメーカーは台湾積体電路(TSMC)である。TSMCは2021年2月に茨城県つくば市に研究開発拠点を新設し、日本企業20社と提携し、最先端半導体の開発をすると発表した。この20社の中には、イビデン、信越化学、JSR、旭化成、新光電工、日東電工等の材料メーカー、キーエンス、ディスコ等の機器ベンダーや東京大学等の研究機関が含まれる。経済産業省は5月31日、研究開発にかかった総額費用370億円の内、日本政府が約半分(190億円)を助成することを強調し、TSMCは3月に日本で完全子会社の「TSMC Japan 3DIC R&D Center」を設立した。