2021-12-09 ライフ

日本ブランドはいかにしてマレーシア人の心の奥に入り込んだのか

注目ポイント

マレーシア人と日本ブランド製品とのつながりは強く、エアコン、扇風機、冷蔵庫、電子レンジ、給湯器、テレビ、洗濯機、電気ポット、アイロン、炊飯器、オフィス用文房具、プリンター、コピー機、ファックス、電卓、プロジェクター、自動車、バイクなど、どこでも「日本」ブランドを見かけることができる。


マレーシアの日常生活に浸透している日本製品についていえば、筆者が小中学校時代に使っていた文房具を例にとると、パイロット、ぺんてる、三菱鉛筆(Uni-ball)、ゼブラといったものが大半を占めており、中でもパイロットとぺんてるはマレーシアにも支社を開設している。普段使っている洗剤やボディーソープにもライオンや花王の製品がある。ライオンはマレーシアのジョホール州に生産ラインを持ち、マレーシア国内、シンガポール、香港の市場に供給している。


マレーシア人の日常と日本ブランド製品の深い関係

 

マレーシア人家庭にある日本製品には、エアコン、扇風機、冷蔵庫、電子レンジ、給湯器、テレビ、洗濯機、電気ポット、アイロン、炊飯器、事務用品、プリンター、コピー機、ファックス、電卓、プロジェクター、交通手段である自動車やバイクなどがあり、どこでも「日本」ブランドが見られる。マレーシア人はすでに「日本」を自らの中に内面化し、生活の一部としている。そのため、詳細な比較研究をすることでもない限り、消費者はどれが「日本産」でどれが「現地産」かなど気にしていない。本当に目新しい日本ブランドとしては、最近進出を果たした、まだあまり見慣れないブランドのユニクロ、無印良品、ダイソー、吉野家、ファミリーマートなど。台湾人にはお馴染みのブランドだが、マレーシア人にとっては目新しい。


同様にマレーシア人によく知られ、内面化されている西洋のブランドには、ミロ、ネスカフェ、ファーバーカステル(Faber-Castell)、スタビロ(Stabilo)、Bataの靴といったヨーロッパ・ブランドがあり、現地ではすでに数十年販売されている。生産ラインも設置されており、台湾ではこれらの製品をあまり見かけることがないため、スイス、ドイツ、チェコのメーカーといったように細分化されているが、マレーシア人にとってはすでに当たり前の日常となっている。


日本の「ソフトパワー」の影響は、旧植民地だった台湾を今なお引きつける強い力があるだけでなく、東南アジアの人々の生活の質をも向上させている。そのため、東南アジアの国々は誰もが日本のやり方に好意的だ。その意味で、台湾が東南アジアに進出した時、外交とビジネス、貿易以外に、商品や文化産業の質をより重視しなければならなかった。そうすることで初めて東南アジアの人々の心に台湾を「内面化」させ、台湾を彼らの生活の中で「切り離すことのできない一部」にすることができたのである。


原文作者: 彭成毅
原文責任編集者: 吳象元
原文校閲者: 楊之瑜
翻訳者: TNL JP編集部
校閱者: TNL JP編集部

 

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