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2023-11-18 政治・国際

マレーシアのアンワル首相がパレスチナ支持、イスラエルの爆撃を「野蛮」と批判

© Photo Credit: 中央通信社

注目ポイント

マレーシアのアンワル・イブラヒム首相は10月24日に行なわれたパレスチナ支援集会に参加し、ガザ地区の紛争におけるイスラエルの攻撃は「野蛮な行為」であり、西側諸国がイスラエルを支持していることを非難した。アンワル首相は、マレーシアがガザの人道支援と医療救援のために資金を提供する意思を表明している。

 ロイター通信やトルコの国営アナドル通信社の報道によると、10月24日、マレーシアの首都クアラルンプールでパレスチナ支援集会・デモが行なわれ、アンワル・ブラヒム首相を含む合計1万6000人が参加し、マレーシアで近年最大のデモとなった。パレスチナのイスラム原理主義組織ハマスが、10月7日にイスラエルへの大規模な攻撃を仕掛け、軍事衝突が激化した。イスラエルはガザ地区を封鎖し、17日から報復爆撃を開始した。封鎖されたガザ地区では230万人の住民が食糧、燃料、医薬品を求めている。

マレーシアで行なわれた集会では、参加者がパレスチナ国旗やのぼり旗を掲げ「パレスチナ万歳」、「イスラエルを打倒せよ」と叫び、さま​​ざまな国籍や宗教的背景を持つ人々が壇上に上がり、パレスチナへの支援を訴えた。アンワル首相も演説を行い、マレーシアがイスラエルの「侵略」を非難し、パレスチナ人を支援することについて、誰も脅したり阻止したりすることはできないと述べた。

アンワル首相は「マレーシアのことを『欧米圏の一部とイスラエル』が批判しているが、マレーシア人は自由とは何かを知っているから、いかなる国も他の国を脅かそうとしないことを望んでいる」、「マレーシアは『侵略行為』」を許さない。昨日も、今日も、そして明日も、われわれはパレスチナ人民とともに歩み続ける」と述べた。

更にアンワル首相は「(イスラエルの)攻撃は常軌を逸している。女性と子供を虐殺し、病院や学校を爆撃したことは世界で最も野蛮な行為である。西側諸国のいう正義、人間性、民主的な権利がどこにあるというのか」、とイスラエルを非難し「パレスチナ人は『人間』であり、パレスチナ人は『一人の人間として』扱われなければならないと」と訴えた。

マレーシア当局は、パレスチナへの支持を表明することに躊躇していない。米国ワシントンにある東南アジア向けニュースメディア「Benar News」は、アンワル首相が10月16日に「西側諸国と欧州諸国はロシアのウクライナ侵略を糾弾しながら、ガザでイスラエルが行なっている残虐な行為(報復攻撃)の継続を容認しており、欺瞞に満ちている」と発言し、ハマスへの対応について西側諸国に従うことを拒否したと報道した。アンワル首相は紛争勃発時にハマスの最高指導者イスマイル・ハニヤ氏と電話で会談し、紛争の即時停止と人道回廊の設置を求めている。

アンワ首相は、パレスチナ人民を支援するため、マレーシア政府から1,000万リンギット(約3億1700万)、更に政府関連企業からガザ地区の人道支援と医療救援のために1億リンギット(約31億7000万円)を寄付することをすでに約束しているという。

 

訳:椙田雅美

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