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2023-11-17 経済

シンガポール最大手DBS銀行 システム障害多発 シンガポール金融通貨庁(MAS)から6ヶ月の新規事業の買収禁止など一部業務停止命令

© Photo Credit: TkKurikawa

注目ポイント

シンガポール最大かつ顧客数が最も多いDBS銀行で過去7カ月間にシステム障害が多発し、利用者が不安を感じているとして、シンガポール金融通貨庁(MAS)は、向こう6カ月間、新規事業の買収などを禁じる一部業務停止命令を出した。

 シンガポール最大手のDBS銀行では、今年システム障害が多発し、シンガポール金融通貨庁(MAS)は、向こう6カ月間、新規事業の買収と、支店やATMの削減を禁止する一部業務停止命令を出した。デジタルサービスに問題が生じた際、顧客に適切な代替サービスを提供できるよう、システム改善に専念するよう求める。

  DBS 銀行は、シンガポール最大かつ顧客数も最も多い銀行だが、過去 7か月間に 5 回大規模なシステム障害を起こし、デジタルバンキングサービスを停止した。10月には1 週間に 2 回(10 月 14 日と 10 月 21 日)も大規模な障害を起こしている。

事態を重く見たシンガポール金融通貨庁(MAS)、は11月1日に出した通達で、DBS銀行に対して罰金は課さなかったものの、同銀行に対し1.8倍のリスク加重資産(Risk-weighted assets,RWA)を継続すると発表した。追加自己資本要件により、銀行は追加の規制資本16億シンガポールドル(約1780億円)を割り当てる必要がある。金融通貨庁は、6か月の期間が満了した後、DBSの是正措置に基づいてさらに期間を延長するか、追加の資本要件を課すか決定するという。

 

DBSグループ幹部が謝罪

 今回の業務停止命令を受け、DBSグループの取締役会と経営陣は声明を発表し、今年発生した一連のシステム障害と、サービス停止について謝罪、銀行はこれらの問題の解決を優先しており、3ヶ月の間、毎月平均1.5時間のサービス停止が発生すると説明した。

また、DBSグループのピーター・シア(Peter Seah)会長は「DBSグループの経営陣は責任を負い、減給などの処分を受け、業務改善に努める」と述べたが、実際にどのような処分が行なわれるかについては言及しなかった。DBSグループの年次報告書によると、経営陣の報酬は固定給に加え、変動性賞与、株式、繰延報酬という3つの流動的要素が含まれている。DBSグループのピユシュ・グプタCEOは、システムの強靱性を高めるため、グループから特別予算として8,000万シンガポールドル(約89億640万円)を割り当てると述べた。

 

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