注目ポイント
外国のラグジュアリー温泉リゾート情報 Vol.1
台湾第二の都市、台中の郊外にある温泉地・谷關(グーグァン)。台湾中部を流れる河川「大甲渓(だいこうけい)」が削ってできた谷あいに温泉が湧出しており、今もなおダイナミックな自然が残っている。

ここに、「温泉渓谷の楼閣」をコンセプトとした、ラグジュアリー温泉リゾート「星のやグーグァン」が星のやブランドの海外2軒目の施設として構えている。
楼閣は、深い渓谷がもたらす湧水と豊かな温泉を活かした、自然に共鳴するような建築・ランドスケープデザインになっており、滞在シーンに合わせ様々な顔を見せてくれる。
また、裏手には全長 1,300mの遊歩道があり、都会の喧騒を離れた非日常感あふれる環境に身を置いて散策を楽しむことができる。
部屋はほとんどがメゾネット客室になっており、半露天風呂を配し、いつでも何度でも自家源泉かけ流しの温泉を楽しめる。フロアの両側には窓もあり、窓からは雄大な山々やウォーターガーデンの景色を望み、暑い時期でもさわやかな風を肌に感じながら温泉を楽しみたい。

滞在中、外せないのがやはり料理だが、豊富なアラカルトから日本料理まで、滞在シーンに合わせた料理温泉養生で長期滞在しても飽きない充実した料理を提供している。
台湾で親しまれている食材と日本料理の調理技法をかけあわせた、新たな食の魅力に出会うことができるだろう。
調理技法だけでなく、九谷焼・備前焼・有田焼といった日本の器を用いて、和の要素も取り入れているので、現地で是非体感してほしい。

建築設計:東 利恵氏 コメント
台湾の人は温泉好きが多いと聞いています。台湾で温泉をテーマにした星のや流のリゾートを計画するにあたり、まず大切にしたのは台湾と日本の温泉文化の違いです。
例えば、多くの台湾の温泉では、水着を着て入りますが、これは日本の温泉文化では開放感の喪失となり、温泉の醍醐味を失いかねないものです。そして、いかに風景を愛で、自然の風を楽しむかも大切な魅力の一つです。
大浴場は、外の景色を絞り込むように窓を設けた日本的な木質系の内湯と、斬新なデザインの露天風呂を楽しめます。繊細な心遣いや、自然との対峙の仕方などを感じてもらえたらと思います。
客室には全室半露天風呂を設け、ほとんどの客室がメゾネットです。風を感じながらゆっくりと温泉に浸かる時間と、リビングや寝室でくつろぐ時間、2つの時間の楽しさを感じてほしいという思いから、浴室などの水回りエリアを切り離して独立フロアとしています。
環境照明設計:ICE 都市環境照明研究所 武石 正宣氏 コメント
星のやの明かりを考える上で大切にしていることが二つあります。
一つ目は、逗留滞在を基本とする星のやにおいて、施設内で過ごす方々に寄り添った照明であることです。そのため、ランドスケープからパブリックエリア、客室に至るまで眩しさを抑えた光を丁寧に配置しています。
二つ目 は、その土地ならではの地域性をデザインに取り込むことです。星のや グーグァンでは、台湾が伝統的に持つ布や木工技術、工芸のイメージを建築的に積層するデザインとしました。
星のやグーグァンは、山々に囲まれた自然豊かな土地に建ち、敷地内のどこにいても水の気配を感じる造りです。ランドスケープや露天風呂など外部空間となる場では、山間の星空を楽しむための光、静かな環境に溶け込む光を目指して最低限の明かりを添えています。上質な暗さの中でこそ引き立つ自然の美しさ、空間の伸びやかさを感じていただけることと思います。