2022-03-03 経済

ウクライナ侵攻に露インフルエンサーらが抗議 SNSで発信しプーチン大統領に重大ダメージか

© Photo Credit: AP / 達志影像

ウクライナに侵攻したロシアは、元KGBのプーチン大統領が得意とする情報操作や謀略、サイバー攻撃などを駆使したハイブリッド戦を仕掛けてきた。だが、インターネット世代の寵児たちはプーチン氏が始めた戦争に抗議するため、自分たちの計り知れない影響力を行使している。

インフルエンサーと呼ばれる彼らの〝武器〟は、ロシアでも人気の高いインスタグラムやティックトックなどのアプリだ。英紙ガーディアンは、「ロシアの独裁者に抵抗することのリスクを恐れず、インフルエンサーたちは戦争反対のメッセージや動画をSNSで発信している」と評し、ロシアの著名インフルエンサーたちの行動を報じた。

その1人がプーチン氏に最も近い人物とされるドミトリー・ぺスコフ大統領報道官の娘・エリザベータ・ぺスコワ(24)だ。自身のインスタグラム・ストーリーで「戦争反対」と書いたメッセージを発信したのだ。すぐに削除されたが、そのスクリーンショットはツイッターで瞬く間に拡散した。

ロシアの大物司会者マクシム・ガルキン(45)は940万人のフォロワーに向け、真っ黒の画像に「戦争反対」とメッセージを添えてインスタに投稿した。

また、75万人のフォロワーを持つロシア人の人気ティックトッカー、ニッキ・プロ―シン(27)は、ロシア軍がウクライナに侵攻すると、すぐに動画を投稿。侵攻についてフォロワーたちから寄せられた質問に答える形で、ウクライナ攻撃を命じたプーチン氏に対する怒りをぶちまけた。続けてプロ―シンは、自分が住むロシアの第2の都市サンクトペテルブルクで起きた反戦デモの様子を撮影した動画をティックトックに投稿した。

「僕が自分の意見を言うことで、外国人にロシア人をもっと理解してもらいたいのと、海外にいる普通のロシア人と国内にいる普通のロシア人との懸け橋の役割を担いたい」と説明。「ロシア人とロシア政府は同じではないことを分かってもらいたい。中には政府の決定を支持するロシア人もいるが、僕に言わせれば、彼らは少数派だ」と付け加えた。

2日にはロシアの代表的ロックバンド「ムミー・トローリ」がコンサート活動の停止を決断したとインスタグラムで発表。リーダーのイリヤ・ラグテンコ(53)が、ウクライナ国旗のカラーを表現した青いジャケットに黄色いスカーフを着用した写真を投稿。ウクライナへの支持とプーチン政権批判を示唆したものとみられる。

ロシア南西部マグニトゴルスク出身のスーパーモデルで800万人のフォロワーを持つインフルエンサー、ゼニア・チュニチェヴァ(34)は、「私にはロシアとウクライナの血が流れています。私は政治の知識も意見もありません。言いたいことの全ては、戦争にはずっと反対です」と投稿した。ゼニアは英国在住。

ほかにも、ウクライナの国旗を手に持った写真と「戦争反対」のメッセージを投稿したファッションデザイナーのスヴェトラーナ・タッコリや、頬にロシアとウクライナの国旗をペイントした写真を掲載した人気インフルエンサー、ローヴァ・オララ、ロシア軍による残虐行為の写真や動画をアップしたフリージャーナリスト、イリヤ・バーラモフなど、多くの著名ロシア人がSNSを使って反戦メッセージを発信している。

だが、プーチン氏に楯突くような発言をしたロシア人のインフルエンサーやセレブ、ジャーナリストらは「良くて逮捕」というリスクを負うことになるとガーディアン紙は指摘。その一方、プーチン批判のテレビや新聞などロシアの〝オールドメディア〟は全て閉鎖される中、インスタやティックトックを通じて数百万人単位の人々に影響を与えることは、プーチン氏に重大なダメージを与えることも事実だと続けた。

 

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