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2023-11-14 政治・国際

北朝鮮、ウガンダや香港など在外公館4カ所を閉鎖、専門家「経済低迷で外交関係を維持するのは難しい」

© Photo Credit: GettyImages

注目ポイント

北朝鮮当局は在外公館に運営資金を提供しておらず、外交官は自ら資金を調達し、場合によっては余剰金を本国に送金しなければならない。アフリカの北朝鮮大使館は近年、銅像建設や武器輸出、医療従事者の派遣などを請け負うなどして資金を調達してきたが、国際社会の対北朝鮮制裁が強化されたことで北朝鮮が海外との貿易などで外貨を獲得するのはますます困難になっている。

 北朝鮮は最近、アンゴラ、ウガンダ、香港、スペインの大使館や領事館を含む外国公館を閉鎖しており、この余波で最大12の在外公館が閉鎖されると予想されている。一連の異例の動きは、北朝鮮が国際社会の制裁により外国公館の運営を継続できなくなっているためと考えられる。

 スペイン人民共産党(PCPE)の公式ウェブサイトに11月1日付で掲載された文書によると、北朝鮮はスペインにある大使館を閉鎖し、同国の領事業務などはイタリアにある北朝鮮大使館が引き継ぐことになった。北朝鮮の国営通信社「朝鮮中央通信」によると、北朝鮮はウガンダとアンゴラにある大使館を先週閉鎖したばかりで、両国の駐在大使もすでに離任した。読売新聞も先週、北朝鮮が中国側に香港総領事館の閉鎖を通告したと報じた。ウガンダ大統領の声明によると、北朝鮮は「在外公館の効率を高める」ため、アフリカにある大使館を削減しているという。

 

北朝鮮はアフリカの独裁国家と緊密な関係、異例の大使館閉鎖

 北朝鮮がアフリカにある大使館を閉鎖するのは極めて異例だ。北朝鮮は、国連安全保障理事会の複数の制裁下で外交的孤立に直面しており、平壌当局はウガンダなどアフリカ諸国との関係を強化していたからだ。

 ウガンダは、北朝鮮から「東アフリカの拠点」とされ、両国関係は半世紀にわたって続いている。1962年にウガンダが英国から独立した直後に北朝鮮は同国と国交を樹立した。北朝鮮はアンゴラとも緊密な関係である。両国は1975年に国交を樹立し、アンゴラは北朝鮮に労働者を輸出、北朝鮮はアンゴラや他のアフリカ諸国に社会主義スタイルの巨大彫像を輸出しており、軍事協力も維持している。

 

外国公館の「閉鎖ラッシュ」で北朝鮮の財政危機が表面化

 専門家らは、北朝鮮の「大使館閉鎖ラッシュ」は、国連による対北朝鮮制裁に関連している可能性があると考えており、北朝鮮当局はもはや世界中にこれほど多くの外国公館を構える余裕がなくなっていると見ている。北朝鮮は159カ国と正式な外交関係を持ち、海外に53の公館を置いている。この「閉鎖ラッシュ」の後、北朝鮮の外国公館は49か所のみとなる。

米国に拠点を置くウェブサイト「NKニュース」の創設者チャド・オキャロル氏は、外国公館の閉鎖は北朝鮮の「ここ数十年で最大の外交政策調整」となる可能性があるという。北朝鮮の他国との外交接触や人道的活動から不正収入を得る活動に至るまで影響を受けており、閉鎖の理由は国際制裁や北朝鮮の財政難が原因となっている可能性があるとした。

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