注目ポイント
フォックスコンは、年末商戦は好調と予測している。第4四半期は伝統的に稼働が上がるが、年末を前に10月の売上高は前月から12.2%増となった。ただし、同社の大口取引先である米アップルはウォール街の予想を下回る年末商戦の見通しを発表している。
鴻海科技集団中国子会社で、米アップルの主要サプライヤーとして知られる富士康科技集団(フォックスコン)は11月5日、年末商戦は好調に推移するという従来の予測を維持し、中国とアメリカでは消費者の購買意欲は旺盛だと述べた。
第4四半期は台湾のハイテク企業にとって伝統的に繁忙期になっており、欧米市場の年末商戦に向けて、スマートフォンやタブレットなどの電子機器をアップルのような大手ブランドに大量に供給する。
フォックスコンは声明で、下半期は消費者向けハイテク製品の「伝統的なピークシーズン」であり、先月発表した見通しを維持して、稼働を「順次拡大していく」と述べた。
さらに「第4四半期は、第3四半期に比べて大幅な成長を予想していることに変わりはない」と付け加えた。だが詳細は明らかにしていない。
フォックスコンは、10月の売上高が7412億台湾ドル(約230億9000万ドル)に達し、10月としては過去2番目に高い数字となったと述べた。前年同期比では4.56%マイナスだが、これは高い水準からの下落であり、前月の9月からは12.2%プラスとなっている。
スマートフォンをはじめとするハイテク製品の売上は、新製品が需要を牽引し、今月の中国のショッピングイベント「独身の日」とアメリカの感謝祭休暇を前に「きわめて大きな成長」を見せたとフォックスコンは述べた。
同社はiPhoneの受託生産の最大手だ。
9月に新型iPhoneを発売したアップルは11月2日、年末商戦の売上予測を発表。iPadとウェアラブル端末の需要が低迷していることを理由にウォール街の予想を下回る内容となった。
フォックスコンは11月14日に第3四半期決算を発表し、年末商戦の見通しの詳細を明らかにする予定だ。
フォックスコンの株価は11月3日、10月売上高の発表を前に台湾市場全体が0.7%上昇となるなか、1.2%下落。年初から4%下落し、時価総額は415億ドルとなった。
(1ドル=32.0980台湾ドル)