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2023-11-11 政治・国際

マレーシアのロイヤルセランゴールクラブのバー、1884年設立から139年目にして「女人禁制」を解除

© Photo Credit: shutterstock/ 達志影像

注目ポイント

マレーシアの首都クアラルンプールにある「ロイヤルセランゴールクラブ(RSC)」は、マラヤを統治していたイギリス人によって 1884 年に設立された社交クラブ。マレーシアの上流階級、裁判官、弁護士など社会適地委の高い人々が入会し、旧高等裁判所に近かったことから、法曹界の人々の集会場とても利用されてきた。

© 「皇家雪蘭莪俱樂部」官網

写真:「ロイヤルセランゴールクラブ」の会員資格は6つのタイプに分類される。

ロイヤルセランゴールクラブは、設立以来クリケットやラグビーなど様々なスポーツを主催し、マレーシア最古のクリケットスタジアムを併設している。クラブ内のロングバー(RSCロングバー)でスポーツ観戦も出来るが、このバーは開店以来、女性の入店が禁止されて来た。理由は、男性会員がクリケットの試合を観戦中に、酔って過度に興奮している様子を女性に見られたくないというものである。

 

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写真:クアラルンプールのロイヤルセランゴールクラブ

この長年続いたバーの女人禁制が、10月22日の特別総会の決定で撤廃され、マレーシア銀行のダルビン・カウルシニアマネジャーがロングバー初の女性会員となった。現地メディアの報道によると、特別総会に出席した会員200人のうち、女人禁制の維持に賛成したのはわずか8人だった。

© Photo Credit:Momokau CC BY SA 3.0

写真:ロングバーの入口には「女性及び18歳未満の入店お断り」の看板が掲げられている

マレーシア持続可能なサプライチェーンとイノベーション協会のロレラ・チア会長は自身のFacebookに「このニュースを聞いて、複雑な感情を抱いた。確かに勝利は到来したが、139年という年月は余りに長すぎた!同時に、私たちはいくつの権利を獲得しようとも、平等と公平性を追求し続けなければならないことを再認識した」と投稿した。

MISCバーハッドのラメシュ・ラジャラトナム元執行副会長も自身のFacebookで、50年前からメンバーだったある裁判官の話を載せた。この裁判官はかつてロングバーへの女性の入店許可について「私が死んだら許可しても良い」と話していたが、現在 94歳の裁判官は今回の総会で人が変わったかのように、他のメンバーに女人禁制撤廃に賛成するよう求めていたという。「まるで自分が死んだかのようですね」とラジャラトナム元執行副会長は揶揄しつつも「この時代錯誤的な規則は長年にわたり女性たちに不快感を与えてきたが、ようやく是正することが出来た。クアラルンプールで最も古い場所の一つで新たな歴史が​​作られた」と述べた。

 

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