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2023-11-09 政治・国際

途上国が抱える対中債務は総額166兆円 中国の融資を受けた80%の国が借金苦

© REUTERS 人民大会堂で行われた「一帯一路」フォーラムで演説した習近平国家主席=2023年10月18=

注目ポイント

巨大経済圏「一帯一路構想」のもと、中国が推し進めてきた途上国へのインフラ開発のための投融資。その融資の残高は、元本だけで少なくとも1兆1000億ドル(約166兆円)にも上り多くの途上国が返済できず、港湾施設などの権益を譲渡せざるを得なくなる「債務のわな」に陥っている実態が明らかになった。

米バージニア州ウィリアム・アンド・メアリー大学の研究機関「エイドデータ」が今週発表した報告書によると、中国が過去20年間に途上国に対して融資した数千件のうち、半分以上の借り手が返済困難となり、延滞が急増。さらに、中国から融資を受けた80%近くの国が現在、財政難に陥っているという。

米CNNによると、一帯一路構想を掲げた中国は、潤沢な資金をラテンアメリカから東南アジアに至るまで、道路や空港、鉄道、発電所などインフラ整備に投入し、借入国の経済成長を促進した。その過程で多くの国が中国に接近し、中国は世界最大の債権国になった。一方で「無責任な融資」に対する非難も集まった。

エイドデータの報告書は、過去20年以上にわたり165か国に対して中国が行った融資のうち55%が返済期間に入っていると指摘。これらの債務は、高金利や現地通貨の低迷、世界経済の減速といった新たに起きた困難な金融環境のなかで、23年には返済期日を迎えているというのだ。

エイドデータのエグゼクティブディレクターで、報告書をまとめたブラッド・パークス氏は米CNNに、「融資の多くは2013年に始まった一帯一路構想の一環として実施されたもので、返済は5~7年の猶予期間が設けられていたが、その後の新型コロナウイルスによるパンデミックで返済猶予期間がさらに2年延長された」と説明した。

同氏は、「ただ、話は変わりつつある」と前置きし、「過去10年ほど、中国は世界最大の公的債権者だったが、今は世界最大の債権回収国となり、われわれは重要な転換点にいる」と述べた。

エイドデータは、スイスに本部を置く国際決済銀行に対して金融機関が報告したデータを引用し、借り手である途上国が中国の金融機関に2021年時点で、少なくとも1兆1000億ドル、最大で1兆5000億ドル(約226兆円)の債務を負っていると算出した。

同研究機関によると、中国は08年まで、未払い債務を抱え財政難に陥った10以上の国に対処する必要はなかったが、21年までには少なくとも57か国が未払い債務を抱え、財政難に陥っていたことがデータで示されている。

CNNは、これが中国の融資方法を変える要因となっていると推測する。

途上国の間で中国人気の理由となっていた高額インフラプロジェクトへの資金投入が大幅に後退している。エイドデータによると、代わりに中国は相当数の緊急救済融資を行っているという。

それでも中国の融資は底を打っていない。専門家らによると、中国は依然として世界最大の開発資金提供国であり、その融資額は先進7か国(G7)のどの国のものより大きい。米国とG7パートナー国が共同で提供した途上国への融資は21年、ようやく中国の支出を約840億ドル(約12兆6700億円)上回った。

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