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2023-11-09 政治・国際

リトアニア議会の議長、初の台湾訪問 インド太平洋地域との交流を強化

© Photo Credit: 關鍵評論網 Abby Huang 攝

注目ポイント

リトアニアは近年、インド太平洋地域との交流を強化している。ナウセーダ大統領は、10月19日にオーストラリアを訪問、チュミリーテ・ニールセン議長は今月22日に台湾を訪問、「より多くの協力の扉を開く」ことを楽しみにしており、特にハイテク産業とフィンテックを共同で推進するパートナーを探していると述べた。

リトアニア議員代表団を率いて台湾を訪問しているチュミリーテ・ニールセン議長は、10月23日に開かれた記者会見で、リトアニアは台湾との関係を非常に重視しており、とりわけハイテク産業やフィンテックなどの分野において両国の協力関係の強化を望んでいると述べた。

チュミリーテ・ニールセン議長は22日に台湾に到着。リトアニアの議長が台湾を訪問するのは初めてで、代表団は台湾の蔡英文総統を始め副総統や政府関係者と会談するほか、23日には立法院で演説を行う予定。議長は22日の記者会見でロシアのウクライナ侵攻やイスラエル情勢が緊迫している今、世界中の民主主義国家が協力を強化する大きな責任があると述べた。

 

リトアニア議長「両国の経済、貿易、人道的交流はうまくいっており、中国が警告する必要はない」

 議長はリトアニアと台湾は近い理念を持つパートナーであり、遠く離れてはいるが、共通の価値観、特に民主主義を深化させたいという意志を共有していると述べた。そして両国が協力してウクライナの学校や幼稚園の再建を支援していることを挙げ、民主的な協力の最良の例だとした。

 今回の訪台に際し中国から脅迫を受けなかったかとの質問に対し、議長は直接には答えなかったが、リトアニアと台湾は経済貿易や人道などの分野で交流を成功させ、世界のどの国にも脅威をもたらしていないと述べ、従って今回の台湾訪問に警告を発する必要はないと強調した。

 2021年に台湾がリトアニアの首都ヴィリニュスに「台湾代表処」を開設した際、中国は「台湾」という名称が使用されていることに不満を持ち、リトアニアの外交関係を「代理大使」に格下げした。リトアニアは台湾と正式な外交関係を結んでいないが、台湾との実務的な協力関係を強化しようとしている。

 

リトアニアと台湾の関係は、他の民主主義国家にとっての「試金石」

 リトアニアは、今年7月に最新のインド太平洋戦略を発表し、中国の脅威を明確に指摘するとともに、インド太平洋地域の国々との防衛、経済、サイバーセキュリティ協力を強化すべきであると表明した。ナウセーダ大統領は今月、リトアニアの大統領として17年ぶりにオーストラリアを訪問し、インド太平洋地域とのパートナーシップを強化するという決意を示した。

 チュミリーテ・ニールセン議長は、リトアニアはハイテク産業とフィンテックを共に発展させていけるパートナーを探していること、リトアニアはこの分野で多くの資源を提供する意思があること、またリトアニアは経済、貿易、学術の面で台湾との交流と協力の拡大を期待していると述べた。リトアニアと台湾の協力のサクセスストーリーが「試金石」となり、他の国々にも広まっていくことが期待されている。

© Photo Credit: 關鍵評論網 Abby Huang 攝

 外交誌「The Diplomat」の記事によると、リトアニアのレーザー産業は超高速レーザーの分野で主要なプレーヤーであり、フォトニクス、レーザー技術、半導体製品の製造工程と技術においても先進的であるという。中央通信社(CNA)は、代表団一行は医療協力と二重課税撤廃に関する2つの覚書(MOU)に署名すると伝えた。

 

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