注目ポイント
日本と台湾には同じ名前の駅が32あります。インバウンド誘致や周年記念のために様々なイベントが企画され、同名駅同士の姉妹協定締結も増えてきました。先週水曜日には宮崎の日南駅と台中の日南車站との間に姉妹駅協定が締結されました。今回は同名駅とイベントや駅名にちなんだいきさつなどを一部ご紹介しましょう。
台湾には日本の駅と同じ名前の駅がたくさんあります。その駅名になった由来やいきさつについては、それぞれの駅に様々な事情や歴史があります。

記念イベント
その1 松山車站(「車站」は「駅」の意)
2012年、四国の松山空港と台北の松山空港に初めて定期便が就航したのを機に、翌2013年、日台の松山駅も姉妹駅締結を結びました。今年は姉妹駅締結10周年に当たります。日台の同名駅姉妹締結はこれが最初です。その後、亀山駅(2014年)、関山駅(2017年)、田中駅(2018年)など、姉妹締結を結ぶ駅が徐々に増え、今では姉妹駅9(同名ではないものも含む)、姉妹路線12、友好協定8、姉妹車両2が締結されています。松山駅では10周年記念として松山小学校の児童がこれまでに描いた松山駅の絵20点を台湾と日本のそれぞれの松山駅で展示するとしています。また日本の松山駅では、12月20日まで四国鉄道乗車券、観光列車「四国マナカ千年物語」、観光列車「伊予丹物語」、観光列車「獅童土佐時代黎明物語」ダブル券など豪華景品が当たる抽選会が開かれています。

その2 田中車站
彰化県にある田中駅では、長野のしなの鉄道との姉妹駅締結5周年を記念して、日台友好一日限定のお弁当の販売をします。11月12日土曜日の9時40分(台湾時間)から、信州みそポークリブ+台鉄・しなの鉄道記念切符を299元(1400円)で300名限定販売を行います。興味がある人はまだ間に合いますよ。
台湾の田中駅は1905年に建てられました。日本の人名・地名っぽい名前ですが、これは文字通り四方を水田で囲まれていたことから「田の中央」という意味で「田中」と名付けられました。毎年冬の行われる「台湾米倉田中マラソン」が有名です。
その3 日南車站
台中の日南駅は去年100周年を迎えました。台湾鉄道が敷かれたのは132年前ですが、米を始めとする貨物をより効果的に流通させるため、苗栗の竹南駅から台中を経て彰化駅まで、海岸に並行した線を新たに敷設しました。海岸線の全長は1067㎞です。日南駅はこの海岸線に作られ、談文駅、大山駅、新浦駅、追分駅とともに台湾では数少ない五大木造建設駅舎の一つで、5駅合わせて「海線五宝」と呼ばれ古跡に指定されています。

宮崎県日南市は、1955年(昭和30年代後半)から1975年(50年代初め)にかけて空前の新婚旅行ブームに湧きました。ピーク時の1974年に宮崎市内に宿泊した新婚旅行客は約37万組で、新婚カップルの3組に1組にのぼるといわれています。日南は、まさに新婚旅行のメッカです。