注目ポイント
韓国の空港に到着したものの、入国を拒否されたというタイ人たちの不満がX(旧ツイッター)で拡散し、#韓国旅行ボイコットという意味のハッシュタグ付き投稿が、7日までに100万件を超えた。韓国側は、タイ人観光客の入国を拒否しているという風評に遺憾の意を表明した。
タイの英字紙ザ・ネーションは先日、「愛から憎しみへ…なぜタイ人は韓国に背を向けたのか」という見出しの記事を掲載。「韓国旅行のために5年間おカネを貯めたが、高額のおカネを持ち込むのは問題だと入国を拒否された」「入国審査の際、『韓国になぜまた来たのか』という無礼な質問を受けた」など、タイ人旅行者の話を紹介した。
そのような、韓国への入国を拒否されたという多くのタイ人観光客らが、自分たちが韓国で経験した不快な思いをSNSに寄せ、X(旧Twitter)では#韓国旅行ボイコットというハッシュタグ付きの書き込みが100万回に達したという。
タイの別の英字紙バンコク・ポストによると、あるタイ人の女性旅行者は入国審査で韓国に過去に4回来たことがあると告げ、帰国の航空券、ツアープログラム、ホテルの予約を証明する書類などを提示したにもかかわらず、入国を拒否されたという不満をソーシャルメディアにぶつけた。すると、これまでに#韓国旅行ボイコットのハッシュタグがXの週間トップ10に入った。
この投稿によると、入国審査官は女性に対し、「もう十分韓国を訪れている」として入国を拒否したという。10月24日付の女性の投稿は、これまでで閲覧回数は920万回を超え、2万2000回リツイートされ、同時に韓国で同様の経験をしたタイ人旅行者によるハッシュタグ付きの投稿が急増した。
タイのタビシン首相は7日、この問題を調査することを約束。サラン外務次官は、タイ人の韓国旅行に対する感情が悪化していることへの懸念を表明した。
また、韓国外務省は、同国の入国管理官がタイ人観光客の入国を拒否しているという風評に対し、「遺憾に思う」とする声明を発表。タイ・韓国の両国政府は、Xのハッシュタグ#韓国旅行ボイコットのトレンド入りを受け、対策を検討するため次官級の会合を開いた。
そのなかで韓国のチャン・ホジ外務次官は、「今回のような事案に対して遺憾に思っており、個人の認識や両国の外交関係に影響を与えたくない」と述べた。また、一部職員がより厳格な規則の解釈を適応した可能性があると説明。タイ人の入国を拒否するような政策は何ら講じていないと付け加えた。
バンコク・ポスト紙によると、韓国ではタイ人の不法就労を防ぐため、いくつかの措置を導入している。例えば、不法就労者が韓国当局に出頭すれば、ブラックリストに登録されることなく、送還される自主出国プログラムがある。また、外国人が韓国で合法的に就労することのできる雇用許可制度(EPS)に、毎年4800人のタイ人を割り当てているという。