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清朝時代から現代までの約150年間に出版された台湾の教科書を集めた特別展が4日、台北市の華山1914文化創意産業園区で始まった。時代が移り変わるに連れ、サイズが大きくなり、情報量も増えていく様子が見て取れる。

(台北中央社)清朝時代から現代までの約150年間に出版された教科書を集めた特別展が4日、台北市の華山1914文化創意産業園区で始まった。時代が移り変わるに連れ、サイズが大きくなり、情報量も増えていく様子が見て取れる。
清朝時代の私塾で使われた教材や国立編訳館が作成した国定教科書、教科書検定制度の導入後に出版された教科書などが集められた。唯一現存するとされる貴重なものもある。
主催した台湾教科書出版協会の許牧民秘書長は、中華民国建国初期の軍閥割拠時代に民間が自主編さんしたとされる「国難教材」が興味深いと語る。全て手書きで、戦乱の中でも知識を次世代に伝えようと教師が努力した様子が想像できるとした。
共同キュレーターの周育如さんは、清朝時代に出版された「筆算数学」は、全て縦書きで書かれているとし、現在の教科書のように順序立てて段階的に理解してもらう方法とは違うと話した。
またかつての国語の教科書には「総統蒋(介石)公の物語」、「私は中国人」などと題した文章や「母は朝に掃除をし、父は朝に新聞を読む」といった現代の価値観では不適切とされる内容もある。周さんは、展示を通じた世代間の理解増進に期待を寄せた。開催は9日まで。
(陳至中/編集:齊藤啓介)


