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生成AI(人工知能)が台頭する中、台湾の行政院院会(閣議)は2日、IC(集積回路)チップを生成AIなどの重要技術と組み合わせることで台湾の産業全体の革新や発展を図る計画を決定した。

(台北中央社)生成AI(人工知能)が台頭する中、行政院院会(閣議)は2日、IC(集積回路)チップを生成AIなどの重要技術と組み合わせることで台湾の産業全体の革新や発展を図る計画を決定した。陳建仁(ちんけんじん)行政院長(首相)によれば、2033年までの10年間で3000億台湾元(約1兆4000億円)を投じる。
行政院(内閣)の林子倫(りんしりん)報道官が閣議後の記者会見で陳氏の発言を伝えた。
計画は(1)生成AIとICチップの統合で全産業の革新を推進(2)国内の育成環境を強化し、全世界の人材を誘致(3)産業革新に必要なヘテロジニアスインテグレーション(種類の異なる複数の半導体チップを1つのパッケージに収めること)と先進技術を加速(4)シリコンアイランドの実力を生かして世界のスタートアップや投資を誘致―の4つの戦略からなる。24年から28年までの5年を第1期とする。
陳氏は半導体における台湾の実力は全世界が認めるところだとし、同計画を打ち出した背景について、将来的な関連産業の技術変革の契機や挑戦を迎え撃つためだと説明。4つの戦略によってICチップの今後の動向に対応していきたい考えを示した。
24年は科学技術予算から120億元(約558億円)を同計画に投じる。人材の育成や誘致、産業革新の加速に80億元(約372億円)、生成AIとICチップの統合や海外からの投資誘致に40億元(約186億円)を計上するとしている。
(頼于榛/編集:名切千絵)