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韓国では連日、芸能界の薬物汚染に関するニュースが報じられている。米アカデミー賞作品賞を受賞した「パラサイト 半地下の家族」の俳優イ・ソンギュン(48)や、人気男性グループBIGBANGのリーダー、G-DRAGON(クォン・ジヨン=35)など、韓流のトップスターらによる違法薬物使用疑惑が浮上。特にイ・ソンギュンについては、同国を代表する演技派俳優として国民を魅了してきただけに、今回の薬物スキャンダルの衝撃は大きい。
2020年に米アカデミー賞作品賞を受賞した「パラサイト」で好演し、韓国を代表する俳優となったイ・ソンギュン(48)が違法薬物使用に関与した疑惑が浮上。韓国・聯合ニュースによると、イ・ソンギュンは麻薬類管理法の大麻・向精神薬使用容疑で立件されたことを受け、先月28日午後、仁川の警察署に出頭し、約1時間の取り調べを受けた。
その後、報道陣の前で何度も頭を下げ、「多くの方を大きく失望させてしまい心からおわび申し上げる」とした上で、「誠実に取り調べに臨む」と語った。また、「今この瞬間、辛い苦痛に耐えている家族に申し訳ない。改めて全ての方に心よりおわびする」と謝罪を繰り返した。
イ・ソンギュンはソウル・江南(カンナム)にあるVIP御用達の遊興施設(会員制高級クラブ)や住宅などで複数回にわたり違法薬物を使用した疑いが持たれている。警察は先月、同施設で違法薬物が出回っているという情報を入手し、捜査の過程で同俳優が関与したとする情報もつかんだという。
仁川警察庁はまた、BIGBANGのリーダー、G-DRAGONも違法薬物使用容疑で立件した。容疑に対しG-DRAGONは10月31日、弁護士を通じて関与を否認するとともに、「速やかで公正な捜査の進行のため」、6日に仁川警察庁に出頭することを明らかにした。
これまでの捜査で、仁川警察庁麻薬犯罪捜査係は麻薬使用容疑で10人を捜査対象に挙げ、その中にはG-DRAGONとイ・ソンギュンも含まれているとしている。ほかにも同会員制高級クラブの20代女性従業員1人が立件されたほか、財閥3世や作曲家、歌手の卵など5人に対する捜査も進んでいるという。さらに、同クラブの29歳女室長はすでに麻薬類管理に関する法律違反の疑いで身柄を拘束されている。
一方、麻薬の流通経路について同捜査係は先週、「ソウル市内にある病院の医師を在宅起訴し、捜査している」と発表した。朝鮮日報によると、医師は金銭などを受け取らず、このクラブを通じてイ・ソンギュンとG-DRAGONに薬物を提供したとみられている。捜査関係者は、「親交が深い場合、代金を受け取らずに薬物を提供する事例もある」としている。
韓国のニュースサイト「ニューデイリー」によると、問題のクラブでは3~4人のグループで、一晩の酒代だけで800万ウォン(約89万円)~1000万ウォン(約111万円)。クラブの女性従業員の中にはモデルや元歌手、芸能人のたまごが多数在籍しているという。