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台湾・外交部(外務省)は25日、中国で対台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室の朱鳳蓮報道官が同日、海外に滞在する「台湾同胞」が困難に直面したり、命や財産が脅かされたりした場合、中国の在外公館に連絡すれば、中国人と同様の保護を受けられると発言したことに対し、「必要ない」とする声明を発表した。

(台北中央社)外交部(外務省)は25日、中国で対台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室の朱鳳蓮報道官が同日、海外に滞在する「台湾同胞」が困難に直面したり、命や財産が脅かされたりした場合、中国の在外公館に連絡すれば、中国人と同様の保護を受けられると発言したことに対し、「必要ない」とする声明を発表した。
外交部は、7日にイスラエル軍とイスラム組織ハマスとの戦闘が開始して以降、イスラエルにある駐テルアビブ台北経済文化弁事処(大使館に相当)と、台湾人166人の陸路と空路での退避を支援したと説明。20日にはさらに専用機を派遣したとした。
その上で、中国政府の行動は遅いと批判。中国の駐イスラエル大使館に「野放し」にされた中国人35人が、弁事処に連絡を取り、台湾の専用機への搭乗を希望したとし、中国に対し、自らの人民を守る責任を果たすよう呼びかけた。
その一方で台湾人が海外で困難に直面したり、天災や戦乱、事故、詐欺などに遭った際は、在外公館の職員が必ず全力で支援すると言明。ロシアによるウクライナへの侵攻時にも、現地の台湾人は在外公館の支援により安全に退避したという事実が証明しているとした。
また中華民国台湾は主権国家であり、政府が国民に対し領事保護を行使する責任があり、中国政府とはいかなる関係もないと強調。台湾に偽りの恩恵を与える中国の行為は達成されず、事実をねじ曲げて進めるプロパガンダはかえって唾棄(だき)されるとけん制した。
台湾人に対しては中国の厚顔無恥なプロパガンダや情報をうのみにせず、卑劣な統一戦線のわなに陥らないよう求めた。
(黄雅詩/編集:齊藤啓介)