注目ポイント
台湾双十国慶節(中華民国建国112年記念日)を祝うレセプションが10月10日、台北賓館(台湾迎賓館)で開催され、世界各国からの来賓が一堂に会した。会場には台湾各地の人気店の料理が並び、彰化市鹿港の「山風藍」のイタリアンジェラートや高雄市のフードトラック「頑固油飯One Gu」の油飯(ヨウファン:台湾風おこわ)も登場。山風藍特製の香菜(シャンツァイ:コリアンダー)のジェラートが注目を集め、訪台中のナウル共和国ラス・ジョゼフ・クン大統領は頑固油飯の2種類の油飯を味わったという。
今年の国慶節レセプションは、新型コロナ感染症流行後の再開2回目となる。米国在台湾協会(AIT) サンドラ・オウドカーク台北事務所長、オランダ在台湾事務所グイド・ティエルマン所長、ドイツ在台湾協会イェルク・ポルスター所長、フランス在台湾協会フランク・パリス代表、インド在台湾協会マンハルシン・ラクシュマンバイ・ヤダブ代表ら50か国の代表者も出席した。

© Photo Credit: 關鍵評論網 Abby Huang 攝

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台湾各地から集まった地産地消の料理。温暖化問題にも留意
高雄市塩城の油飯専門店「頑固油飯」は今回、台湾外務省の招待を受けて出店し、2種類の油飯を用意した。オーナーの盧羿妤(ルー・イーユ)・林家豪さん夫妻は宜蘭県南方澳出身で、特製の乾燥魚介類を油飯の具にして、地元の特色を生かした「島海鮮油飯」と、世界的に有名な宜蘭の「KAVALANウイスキー」と宜蘭名物の「鴨賞(鴨肉の燻製)」を使った「ウイスキーダック香味油飯」を用意した。盧・林さん夫妻は、伝統的な油飯と新世代の故郷への思いを融合させた料理で故郷を紹介し、世界中から集まった来賓にPRしたいと語った。

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もう一つの目玉となったのは彰化市鹿港のイタリアンジェラート「山風藍」。オーナーの趙雲蘭さんは、蔡総統が香菜(コリアンダー)好きであることを知って、今回特別に香菜を使ったジェラートを用意した。 趙雲蘭さんは、「香菜を使ったジェラートと聞くと奇妙に感じるかもしれませんが、刻んだピーナッツを合わせることで、台湾伝統の「潤餅(ルンビン:小麦粉の生地を薄く焼き、野菜などを包んで食べる軽食)」のような味になります。香菜の味は邪魔にならず、むしろ上品な風味に仕上がっています」と語った。また、訪台中のナウル共和国クン大統領も出席したことから、ナウルが温暖化で海面上昇の問題に直面していることを考慮し「Love the Earth(愛する地球)」と名付けたジェラートも用意した。バタフライピー(マメ科の植物)の花に海塩を加え「海」をイメージしたブルーのジェラートと、「森」をイメージしたグリーンの抹茶ジェラートを合わせたもの。 すぐに溶けてしまうジェラートは、地球温暖化について注意喚起する意味もあるという。ナウルも台湾も島国なので共感を呼んだことだろう。

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香菜ジェラートを試食した蔡英文総統は「春巻のような味」と親指を立てて絶賛し、クン大統領も頑固油飯を気に入って2種類を味わった。

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この他、新竹のブルワリー水鹿精釀(サンバークラフトビール)も出店し、米国ワールドビアアワードで金賞を受賞した「カフェラテビール(FORMOSAN WILD BOAR PORTER)」と、銀賞を受賞した「サンバークラシックペールエールが人気を集めた。
訳:椙田雅美